2014/06/09(月)06:43
米プロレス団体が動画配信ビジネスに移行
米プロレス団体WWE、ネット配信を主戦場に(日本経済新聞・有料記事)
■WWEといえば、確か、プロレスに演劇やドラマの要素をかなり無理めに詰め込んだイベントをやる団体だったはずですね。
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ボクシングでも、試合に至るまでに、両対戦者が舌戦を繰り広げたりして、当日の試合を盛り上げようとします。
プロレスは、それがもっと顕著で、試合前の煽り演説ができなければ悪役は務まらないと言われているそうです。
つまりプロレスにしろ、ボクシングにしろ、当日の試合だけ面白ければいいというものではなく、そこに至るまでの理由や遺恨をいかに盛り上げるかに興業の成否がかかっているわけですね。
■WWEは、それをさらに推し進めて、ライブに至るまでの経緯をドラマにして見せてしまいます。
誰と誰が喧嘩したとか、誰が密かに裏切ったとか、誰が派閥を作ったとか、子供じみた陰謀の数々をわかりやすくさらけ出します。(ドラマはもちろん本人たちが演じています)
観客はそれを十分に理解した上で、当日のライブに臨むわけです。(しかもプロレスラーたちは、その陰謀の数々をお互い知らないことになっています)
要するにプロレスを題材にした演劇ですね。
■WWEは、一度はまったら抜け出せないらしい^^
なんせ一つの試合が終わったら、次の陰謀が始まるわけですから、「ドラゴンボール」ぐらい永遠に続いていくのです。
だからコアなファンが多いわけです。
■これまで主にケーブルテレビで放映してきたWWEが、動画配信に移行することは自然な流れです。
そこでは過去の試合も選手のインタビューも陰謀の数々も配信し放題。価格設定も自由です。
WWEのように濃いファンがいれば、成功しやすいでしょう。
■ただネット配信のコストなどしれていますから、コンテンツさえあれば、だれでもやればいいんですよ。
演劇でも映画でもプロスポーツでもお笑いでも、持っているコンテンツを動画にして、配信するだけです。
もちろんどこでマネタイズするのかは工夫しなければなりません。
普通に考えれば、ファン基盤がしっかりしていればWWEのように有料化できますし、そうでなければ無料配信して、ライブに呼び込むための呼び水とします。
WWEは、そのあたりの「流れ」が出来上がっていますから、動画配信に移行することは簡単だったでしょう。
要するにマネタイズに至る「流れ」がここでのポイントです。
■日本では地上波テレビの力が強く、報酬も大きいですから、プロ野球にしろ、簡単にネット配信に移行するわけにはいきません。
ただそれほどメジャーではないコンテンツホルダーは、ダメ元なんだから、どんどんやればいいんですよ。
やり方さえ浸透すれば、動画配信は多くなると思うなー