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December 8, 2016
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カテゴリ:映画の話


■「この世界の片隅に」プロデューサーへのインタビュー記事です。「勝算はあったか?」と問われて、「なかった」と答えておられます^^

監督の片渕氏は、ジブリの「魔女の宅急便」の監督をやるはずの人だったそうですが、スポンサーから「無名の監督に金は出せない」と、宮崎駿監督に交代させられたらしい。

だから実力は認められているが、無名という人。これまで監督した作品も興行的には振るいませんでした。

■作品を観た今だからその素晴らしさを実感できていますが、確かに企画段階では、金を出しにくい題材です。

原爆が落とされた町の近くに住む人たちの日常を描く。といわれても、学校の教材ビデオになりそうだな…と思うぐらいで、地味に過ぎます。

作品を観て感激した今でも、これを他人にどう説明しようかと迷いますからね。

結局、プロデューサー氏は、片渕監督の実力を信じて、企画実現に踏み切ったという形です。

■クラウドファンディングを活用したというのは苦肉の策だったようです。思いのほか、3374人もの出資者があらわれ、3000万円を超える資金が集まりました。それが、スポンサーを動かして、製作費の調達につながりました。

が、これだけのヒットになろうとは、誰も思わなかったでしょうね。3374人の出資者は、応援隊としてSNSなどへの拡散に貢献したでしょうが、それだけでヒットするわけではありません。

やはり公開してからの口コミが大きかったのでしょう。

■私はこの映画に「98点」という評価をしました。きわめて個人的な印象評価です。点数をつけるというのも失礼だと思いますが、個人ブログのやることなんでお許しください。

なんで98点かというと、私にとって不動のベストワンである「七人の侍」が99点。それに匹敵する内容だからという意味でした。(100点でいいのですが、さらに上があったら困るので‐1点しているだけなんですけどね)

ちなみに、私の評価では、同じ98点にフェデリコ・フェリーニの「8.1/2」とルキノ・ヴィスコンティの「ベニスに死す」があります。今回の「この世界の片隅に」は、これら歴史的名作に並ぶものだと思います。

■かといって、「七人の侍」も「8.1/2」も「ベニスに死す」も「この世界の片隅に」も種類の違う映画なので、本来は比べられません。

アクション要素の強い内容で「七人の侍」を超えることは不可能だと思いますが、貴族文化の退廃感や官能性を描いたら「ベニスに死す」を超える作品はないでしょうし、軽やかな心地よいリズムの映像体験として「8.1/2」に敵うものはありません。

あえていえば「この世界の片隅に」は、「8.1/2」と同じく、体験型の映画です。しかし「8.1/2」が、”息を吐くように映画を作った”天才フェリーニの日常体験から生まれた私的な作品だったことに比べると、「この世界の片隅に」ははるかに時間と労力をかけて作られています。

綿密な取材と時代考証のおかげで、日本人である我々の深い部分に届く作品となっています。

■フェリーニの作品は、アカデミー外国語映画賞(「道」)やカンヌ映画祭最高賞(「甘い生活」)を受賞したため、地味な映画でも作り続けることができました。(晩年のフェリーニ作品は、ひどいもんでしたが…それなりに面白かったのが不思議)

片渕監督も、今回の興行的成功で、次回作を作る資格を得たわけです。

ぜひ今後も、今回のような地味でも内容の濃い作品を作ってほしいと思います。





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Last updated  December 10, 2016 11:57:31 AM
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