一迅社文庫4月新刊感想その2
3冊目はファンタジア文庫のライタークロイスが打ち切りになって全しぐれが涙した川口士さんの「星図詠のリーナ」ですライタークロイスも世界観がなかなかしっかり出来上がってましたが、近作は前作以上に土台がしっかりしてる感があります星詠みの占い師だった母から真っ白な世界地図を貰って以来地図に魅せられたお姫様が自分だけの世界地図を描いていく・・・という話なんですが、このリーナのマッピングという芯が物語に一貫して貫かれてます地図作成の技術を父王に認められ、ある街の地図を作るため旅にでるのですが、様々な人と出会い、いろんな経験をすること真っ白な紙にいろいろものが書き込まれていったり、正確な地図を作ることで隠されていた悪巧みの真相に近づいたりetc,etc...地図は切り離せませんキャラ同士の掛け合いも良い感じ惜しむらくはラブ分の不足お姫様、メイド、騎士(今回は傭兵ですが)ときたら・・・ねぇ?(何どうしてもライタークロイスの三角関係を思い出してしまいますここはぜひ続刊をだしてその辺を・・・!今回のメイドも良いメイドなのですよファンタジー読みたいならオススメ?最後は「ペンギン・サマー」「ムゲンのセンカ」が微妙だったので心配だったんですが、杞憂でした少年と少女とペンギン(!)が織り成すひと夏の物語です郷土に伝わる「クビナシ様」の話と秘密結社、改造人間ならぬ改造ペンギンの話ですおバカな話・・・と思いきや、ページが進み視点が変わっていくことで物語の全貌がみえてくる構成が素敵です最後まで読んだ後はぜひ最初の章を読み直して欲しいところ難点もあるし、最後に収束した何かを足して欲しいような物足りなさも若干ありましたが、それでもところどころに仕掛けられてるギミックが良かったですねぇ