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在るか、在らざるか

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2009.03.08
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カテゴリ:失踪事件(発見)
 北海道小樽市の無職、本間良和さん(50)宅で3月5日、台所の床下に腐敗した遺体があるのを、良和さんの長男(20)の同僚が発見、警察に通報した。

 司法解剖の結果、遺体は昨年7月から行方不明になっていた良和さん本人であることが判明。その後の捜査で、長男が病死した良和さんを遺棄していたことが明らかになった。「パニックになってしまった」などと供述しているという。

 日常生活において「死」というものが縁遠くなってしまった現代では、時折このような事件が発生する。「死」とは厄介もので、いざ遭遇するとどうすれば良いのかわからなくなってしまう人というのは、案外多いのだろう。

 実話ではないが、「消えたおばあちゃん」と呼ばれる都市伝説がこうした現代人の不安をよく表している。旅行途中でおばあちゃんが死亡。一家は「旅が終わってから考えよう」と、取り敢えずおばあちゃんを梱包して旅を続けるが、途中でおばあちゃんを乗せたままの車が盗まれてしまう。おばあちゃんは行方不明になり、死亡届も出せずにいる……という話である。

 「誰か運の悪い他人がこの問題を処理してくれた結果、残された家族たちはおばあちゃんの死によって直面させられた、誰もが死ぬのだ、という事実の重さから救済、解放されるのを感じるのだ」と、「都市伝説」の語を広めた有名な民俗学者のジャン・ハロルド・ブルンヴァンは述べている。(『消えるヒッチハイカー』新宿書房、p168)

北海道新聞 http://www.hokkaido-np.co.jp/news/society/151084.html





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Last updated  2009.03.08 22:27:57
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