2011/09/05(月)19:26
「なぜクラウドコンピューティングが内部統制を楽にするのか」 戸村智憲著
【送料無料選択可!】なぜクラウドコンピューティングが内部統制 (単行本・ムック) / 戸村智憲
僕は事務屋兼技術屋兼サービス屋の人間なので、これまで会社の内部統制なんていう言葉さえ知りませんでした。しかしきちんとした経営理念で会社が経営されているか、とか、会計などの監査はどのように行われているのかということに興味があって、この本を読んでみました。
いや、かなり面白かったです。
著者はちょっと、強引なところがあり、例えばなしで物事を進行させてしまうところがあるようですが、それも愛嬌なのでしょうね。
クラウドコンピューティングが基幹系は別としても(そのうち基幹系もそうなるのでしょうが)、情報系にいかにむいており、監査のためにはもってこいであるかを細かく解説しています。
J-SOX法(金融商品取引法による内部統制要求)に対処するために、クラウドのサービスを提供する企業の中でも、すでに第三者によって信頼性を担保されたものを選ぶことで監査がかなり楽になることがよくわかりました。
情報セキュリティに関しては、きっとクラウドの方がむしろ制御しやすいのかもしれません。すべての端末にデータが残らないようにしてしまえばいいのですから。
ハッキングに関しても、いまだ、セールスフォースにハッキングが成功した話を聞きません。
問題は通信速度でしょうね。でも、ここ10年のネットワーク技術とインフラの進歩を考えると基幹系コンピュータもクラウドとなるのでしょうね。その方が、津波や震災時の事業継続性という点からも安心ですから。