コーチは、ダイアログを実践できる
「22人で創りだすワークショップの輪の中で、皆の心が共鳴している。」CTIのコーチング養成講座は、22人が輪になって、お互いの感じ方、疑問について、輪の中心に向かって話をすることが基本になっています。同じメンバーで3日間学んだ後には、安全で安心な場が創り出されるのです。 「学習する組織」を学び始め、「ダイアログ」という場の存在を知りました。そして、内容を調べるほどに、コーチ養成講座で起きていた心の共振と新しい気づきの発見が、「ダイアログ」の効果だったことを知りました。 牧野元三さんが「人材教育」2005年1月号から3月号にかけて紹介している「チームに学習をもたらす『ダイアログ』の進め方」の内容を、私なりにまとめてみました。・ダイアログでは、参加者が「今」という瞬間に意識を集中すると、場のエネルギーが大きく変化し、 語る人の言葉が、聞く人の思いに邪魔されずにそのまま相手に伝わるということが発生する。・ダイアログでは、参加者の持つ見解が、話し合いを通じて、より良いものになることを目的にしている。・自分の見解を主張する時は、自分が何を考えているかを明確に示し、 そのような見解に至った思考のプロセスを開示します。・椅子だけで丸く並べて座ることによって生まれるエネルギーは、 一体性や共同探求をもたらすのに適している。・話す人は輪の中心に向かって語ると同時に、自分自身の意識の中からくる声に耳を傾けるように心がける。・人の話を聞く時は、最後まで聞くようにし、「意味」「感情」「エネルギー」を受取るように聴く。・ダイアログを始める時には「チェックイン」を行う。 参加者が順番に「今、ここでの思い」を、心に浮かんだままに語っていく。・ダイアログの根底には、量子物理学的世界観であり、全宇宙はすべてつながっていて、 一部分で起きたことは、全体に影響を及ぼすという考え方に基づいている。・自分の感じ方を防御することも、他者に押し付けることもせずに、ただ人の話に耳を傾ける。・無意識のうちに繰り返されている思考や行動のパターン(メンタルモデル)に 自動的に動かされている自分を意識して、その状態に注意を払い、 意識的に自分がより本心から納得できる行動を取るようにする。・ダイアログが生まれる4つのプロセス(1) 丁寧:個人の考え方の相違点よりも、全体の調和を優先するため、互いに共感する部分を 強調し合って丁寧な場が生まれる。(2) 混沌:全体の調和よりも、それまでに抑えられていたさまざまな問題に関する見解の相違が 大事に感じられ、対立が起きる。(3) 探求:不具合の原因を自分以外に求めていた参加者が、自分の内面を向き始める。 参加者が、批判や非難抜きで、発言者のありのままの声に耳を傾け、共に探求を行う場ができる。(4) 一体:他者の経験を自分の経験のように感じたり、自分が考えていることと同じことを、 他の人が発言したり、自分が知りたかったことを、期せずしてだれかが口にだしたりといった、 一体性と共時性の体験が生まれる。ダイアログは、頭で理解するものではなく、チーム全体で感じるものだということが分かりました。