『やわらかい手』 (2006) / イギリス・フランス・ベルギー・ドイツ
原題 : IRINA PALM監督 : サム・ガルバルスキ 出演 : マリアンヌ・フェイスフル 、 ミキ・マノイロヴィッチ 、 ケヴィン・ビショップ 、 シボーン・ヒューレット 、 ドルカ・グリルシュ 鑑賞劇場 : 109シネマズ川崎公式サイトはこちら。<Story>ロンドン郊外に住む未亡人のマギー(マリアンヌ・フェイスフル)は、重病の孫を救うべく手術費用の工面に奔走する。長引く闘病ですでに自宅は手放し、借金をするにも抵当がない。専業主婦の中年女に今更働き口が見つかるはずもなく途方に暮れていたとき目にしたのがセックスショップ「セクシー・ワールド」の“接客”の求人。“接客”の中身を知らずに飛び込んできたマギーにオーナーのミキ(ミキ・マノイロヴィッチ)は呆れるが、その滑らかな手を見て雇うことを決める。やわらかい手 - goo 映画<感想>この日109シネマズ2本目。これも都内の単館系が拡大上映されています。こういう時じゃないとなかなか観るチャンスがないもので。マリアンヌ・フェイスフルは貴族出身にして、かつてミック・ジャガーの恋人だったということなのですが、 この映画を観る限りではあまりそのような面影は感じられない。 何でもスターの座から転落した後に、ドラッグ・ホームレスなど、人生のどん底を歩いたそう。 なので、いわゆる普通の「女優」オーラはない。 むしろ、一般的なおばさまに近い。 そんなおばさまが、孫の治療費欲しさに、 何と何と多くの男たちが行列するほどの技を見せちゃうっていうのもとんでもない話なのですが、 そこに至るまでのマギーの人生というものが、映画の中で垣間見えてくる。 親しくするふりをした友人のオババたち(→ これ、すんごく嫌~な女ばかり )には陰で蔑まれてバカにされ、 息子夫妻とはどうもイマイチしっくり行っていなくて、 嫁との間もギクシャクしていて。 どっからどう見ても、そこらにいる、フツーのオバちゃんとあまり変わらない。 マギーは、初めはお金欲しさに"irina-palm"、つまりイリーナという名前で若いピチピチ娘を連想させ、じゃんじゃん稼ぐわけだけど、 そのうち彼女は気付く。 「自分はそれだけの存在なの?」 (C) 2007 crest international inc,all rights reserved彼女の表情にはどこか気高さがある。 自分は何にもできないただのおばさんなんだけど、 「あなたの笑顔が好き」と、 ミキをほめる。 ミキも、鎧で固めた心が、 マギーの言葉で解けていくのを感じて。 (C) 2007 crest international inc,all rights reserved普通だっていいじゃない。 若くて綺麗じゃないと幸せになっちゃいけないの? 誰しも幸せになりたいし、そうなる権利がある。 そんな温かさを感じました。********************************今日の評価 : ★★★★☆(人の役に立つってとても素敵なことだと感じました。そして心が通じ合うこともとても素敵なことです。)