2008/05/05(月)19:47
『幸福な食卓』 (2006) / 日本
監督 : 小松隆志
原作 : 瀬尾まいこ
音楽 : 小林武史
出演 : 北乃きい 、 勝地涼 、 平岡祐太 、 羽場裕一 、 石田ゆり子
公式サイトはこちら。
<Story>
3年前、父(羽場裕一)が自殺未遂をしてから家族は変わった。
母(石田ゆり子)は家を出て、
成績優秀だった兄(平岡祐太)は大学進学を拒否し、農業に従事していた。
新学期が始まり、中原佐和子(北乃きい )は転校生、大浦勉学(勝地涼)と親しくなる。
志望校を目指すため、佐和子と友達になりたいと言う大浦。
変わり者だが明るく男らしい大浦に影響を受け、
佐和子も夏休みに予備校に通う。
父は仕事を辞めて、大学に行くと言い出す。
それぞれの道を歩き始め、家族は少しずつ形を変えていく。
(以上、goo映画より)
幸福な食卓 - goo 映画
<感想>
家族として縁があって、暮らしているはずなのに、
家族だから、絆を繋ぎ止めたいのに、
気がつくと、修復不可能な溝だらけのことがある。
(C)「幸福な食卓」ASSOCIATES
どうしてなのか、いつからなのか、
何がきっかけなのか。
説明しようがない、澱のような感情が、
社会の最小単位の「家」に、溜まっていく。
とりわけ、大人のそれは、
確実に子ども達に影響を及ぼす。
母が家を出てからは、
家族が、家族として機能しなくなった中原家。
子どもとしてつなぎとめたくても、なす術がなく、
起きてくる出来事を受け止める一方だった佐和子は、
大浦との出会いで、
そこから歩き始めた。
(C)「幸福な食卓」ASSOCIATES
だからこそ、突然訪れる永遠の別れは、
一見そこから先へは進めないように思わせるが、
自分の存在を受け入れてくれる人たち、
支えてくれる人たちがいるという安心感に包まれたときに、
止まっていた心が、前へ進み始める。
原作を読んでないので比較ができないのですが、
家族の脆さと強さが細かく描かれていました。
瀬尾さんのゆっくりとした世界も、
映画ですが、力まずに描かれたと思います。
映画初主演の北乃きいさん、
天才肌ではないかもしれませんが、
戸惑う少女を静かに演じていました。
今後楽しみです。
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今日の評価:★★★☆
(内面を描いた場面が多いので、
少し単調に感じるかもしれませんが、
家族がお互いを思いやる場面は感動します。)