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テーマ:映画館で観た映画(8340)
カテゴリ:邦画(や行・ら行・わ行)
監督・編集 : 石井克人 出演 : 草なぎ剛 、 加瀬亮 、 マイコ 、 広田亮平 、 三浦友和 、 堤真一 公式サイトはこちら。 <Story> 新緑の季節。目の不自由な按摩の徳市(草なぎ剛)と福市(加瀬亮)が、山の温泉場に向う道を歩いている。彼らは前を歩く人間の数や性別、どこから来たかをかぎ分けられる鋭い勘の持ち主。 その彼らの横を1台の馬車が駆け抜けていく。 馬車には東京から来た女性・三沢美千穂(マイコ)、大村真太郎(堤真一)、真太郎の甥・研一(広田亮平)が乗っていた。 徳市たちが温泉場の按摩宿泊所に落ち着くと、宿屋・鯨屋から呼び出しがかかる。 徳市が療治に向うと、お客は美千穂だった。 山のあなた 徳市の恋 - goo 映画 <感想> 70年前の「カヴァー映画」、リメイクではなくてあくまでもカヴァー。 なので出演者には精巧にこの映画を再現することが求められた。 セット、服装、カット割りまで寸分違わない条件ということで、恐らく脳裏に焼きつく程にオリジナルを観たと推察するが、 同じと言えどもそこには今回のキャストならではの雰囲気、持ち味が出ていたように思う。 とにかく毎回草なぎ剛の演技に対する姿勢には感動させられる。 『ホテルビーナス』で披露したタップダンス、そして韓国語習得と、何か演技をするたびごとに常に彼には高いハードルが用意されている。 とことんその役になりきって己のものにしていく姿勢、それが彼のポリシー。 今回の按摩の役。彼の思い描く按摩の世界、そして恋心、世間へのまなざし。 一挙手一投足を彼なりに表し切っていた。
本作大抜擢のマイコ。 彼女もまたこのオリジナルをとことん研究しただけあって、セリフ回しも高峰三枝子が乗り移ったかのよう。 映画初出演とは思えないほどの堂々とした演技、これからが楽しみである。 和服がこんなに似合う女優を久しぶりに見た。 彼女は現代風よりも和風の方がより魅力的。品があって、でも力強い彼女らしさが出ているように思う。 そして脇を固めてる俳優陣も面白い。 三浦友和・堤真一の「ALWAYSコンビ」はもうそれだけで安心して観ていられる。 津田寛治は裏を固める役がハマっている。 今や日本で一番泣かせる子役の広田亮平くんは、『あの空をおぼえてる』よりもちょこっとだけ小さい時の撮影のように見えます。でもうまい。
加瀬亮もかなり細かい役作りをしてきた。 広田亮平くんとのいたずらシーンも面白いけど、徳市との対比も面白い。 そして、按摩仲間の中に田中要次がいたのが何よりうれしい。 彼の存在感が好きなのです。 この按摩さんたちの役の方は、みなさん本当に研究し尽くして演技しているというのが伝わってきました。 映画に対する情熱、そして役に対してのあたたかいまなざしを感じます。
細かいところなのですが、女学生の面々も、あれだけの出番にもかかわらず、それぞれがお菊役に入ってもおかしくない豪華な顔ぶれ。 5人とも可愛らしかったです。 セットや景色の美しさは本当に感動もの。エンドロールまでたっぷりと堪能できる。 そして何よりも、当時の人々のみずみずしく、美しく、豊かな心に触れることができたのがこの映画の一番の見どころではないだろうか。 ただ・・・。 これほどまでに見事に原作を再現しているのにもかかわらず、 スッキリしすぎている印象は否めない。 それは現代があまりにも刺激を求め過ぎているからだろうか。 それとも、今回のカヴァーならではのもう一押しが何かあったら・・・ と期待してしまった故だろうか。
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