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2008/07/10(木)21:24

『歩いても 歩いても』 (2007) / 日本

邦画(あ行)(35)

監督・原作・脚本・編集 : 是枝裕和 出演 : 阿部寛 、 夏川結衣 、 YOU 、 高橋和也 、 田中祥平 、 樹木希林 、 原田芳雄 鑑賞劇場 : CINECITTA' 公式サイトはこちら。 <Story> ある夏の終わり。 横山良多(阿部寛)は妻・ゆかり(夏川結衣)と息子・あつし(田中祥平)を連れて実家を訪れた。 開業医だった父(原田芳雄)と昔からそりの合わない良多は現在失業中ということもあり、気の重い帰郷だ。 姉・ちなみ(YOU)の一家も来て、楽しく語らいながら、母(樹木希林)は料理の準備に余念がない。 その一方で、相変わらず家長としての威厳にこだわる父。 今日は、15年前に不慮の事故で亡くなった長男の命日なのだ…。 歩いても 歩いても - goo 映画 <感想> 実は悩みながら観に行きました。どうも、何となくな家族の物語と聞いていたので。 ただ、いい意味でその思い込みはハズれまして、 なかなか考えさせられる1本でもありました。 これは、是枝監督の原作なんですね。 物語は、とある家族の1日を追った話。 お盆に、巣立って行った子どもたちの一家が集まってくる。 それぞれの事情を抱えて。 それぞれの思惑と、建前と、過去と、未来を背負って。 迎える老夫婦も、世間様や子どもたちに見せている顔とは違う顔を持つ。 (C) 2008『歩いても 歩いても』製作委員会 どこにでもある家族、と言ってしまえばそれまでなのだが、 どこにでもいる家族だからこそ、その数だけ事情がある。 互いにしかわからなかった心の苦悩を初めて明かしたり、 今まで心の底に押し殺して生きてきた慟哭を、絞り出すように話したり。 自分の人生を築くことは楽しいことだけど、その反面、 生きていくこととは、こんなにも辛く、切ないことをはらんでいるから。 さすがと思わせるのはやっぱり樹木希林でしょうか。 「じゅりぃぃぃ~♪」(→ 旧いねっ♪)の頃と何となく似たような外見ではありますが(笑)、 プリズムのように、やさしさと交互に織りなしていく、しびれるような「毒」。 長く生きていくと、澱のように鬱積するものがある。それを体現していました。 そして嫁の夏川結衣。 なかなかどうして、彼女も、横山家に御縁があるだけあって、 このまま行くと、かなりな「毒」の持ち主になってしまいそうな予感がしたのは私だけ? 嫁の本音、姑の本音、母の本音、女の本音、 この2人を対比させるのも非常に面白い観方です。 YOUは是枝監督の常連になって行くんでしょうかね(笑 「従順そうだけど身勝手な女」、うまいのですが^^; (C) 2008『歩いても 歩いても』製作委員会 男性陣は女性陣に押されぎみに感じちゃったのですが、 長年の理不尽さにこれまた鬱屈した想いを抱いていた阿部ちゃん。 結局、親の想いに応えてないことで恨みを晴らしたように感じちゃったんですが。。 それも何だか切ないですね。 父親の原田芳雄の、男の身勝手さとかも、あるある~って。 そして高橋和也もいい味出してましたね。 歩いても歩いても・・・。 答えはそこにあるのか、ないのか。 同じような悩みが繰り返されて、それぞれの家の中にあって。 目の高さよりも海面の方が高い、三浦海岸というロケ地もよかったですね。 あの急な坂を、らせんのように上り下りしていくのは、 人生みたいにどことなく、辛かったり楽しかったりするんじゃないかなあ。。。 ******************************* 今日の評価 : ★★★★   

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