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テーマ:映画館で観た映画(8350)
カテゴリ:洋画(わ行)
原題: THE NANNY DIARIES 監督・脚本 : シャリ・スプリンガー・バーマン 、 ロバート・プルチーニ 出演 : スカーレット・ヨハンソン 、 ローラ・リニー 、 アリシア・キーズ 、 クリス・エヴァンス 、 ポール・ジアマッティ 公式サイトはこちら。 <Story> 無事に大学を卒業したものの、人生の方向性を決められない21歳のアニー(スカーレット・ヨハンソン)。 就職活動も上手く行かず、公園で途方に暮れていた彼女は、1人の少年を事故から救う。 少年の母親ミセスX(ローラ・リニー)に名前を聞かれ「アニー」と答えたところ、彼女は「ナニー(子守り兼教育係)」とカン違い。 こうしてひょんなことからX家の“ナニー”となったアニーは、5歳の息子グレイヤーに振り回されながら、アッパー・イーストの超高級アパートに暮らすX家の生活を観察し始める。 私がクマにキレた理由(わけ) - goo 映画 <感想> スカちゃんの秋の2本のうちの1本目です。 可愛らしいというかコメディちっくな予告で、楽しみにしていました。 それにしても、この邦題。そもそものテーマであるところの "nanny" が全く入ってないから、ベビーシッターとも違うことがわかりづらい。 何で「クマにキレる」のかなんて、物語の最後にならないとわからない訳ですから、せめてもう少し気の利いた題はなかったものかなと思いました。 NYで暮らすことはそれなりにステイタスではあるけれども、同時にそれを維持するためには相当なストレスがかかっているという話を聞いたことがあります。 ここに出てくる、ローラ・リニー演じる子守の依頼主さんたちのものすごいこと・・・ 彼女たちは専業主婦なんでしょうか。 それにしても実にいろんな「会合」があり、それに参加することによって自分たちの社会的地位を誇示しようとするかのような姿勢は、「究極の専業主婦」になるための関門なんでしょうか。 日本でもたぶん、セレブな主婦さんたちはそういうことしているんでしょうけど、その中にちらっちらっと垣間見える互いの家庭の中身、そしてそれを話題にされちゃうような世界は、見ていて実にいやらしいなと感じますね。 で、彼女たちは何のためにnannyを雇うの?? って感じました。 社会的活動は大事。でも家庭も大事。だけど面倒くさい子育てはイヤ。誰かにやってもらおうかしら。。。 でもそれには自分の指図を完璧に聞いてくれて実行してくれる人じゃないと困るし、大事な子供とも相性が良くないと困る。ただ仲がいいだけの相性じゃなくて、教育も授けてくれる人じゃないとね! ・・・ って、どこにそんなことやってくれる人がいるのよー!! と言いたくもなりますよね(笑 そんなにご注文が多いんならご自分ですればよいのにね~。母親なのに(苦笑 そうして子どもに一心に注がれる愛情が多い分、自然と旦那さんがないがしろになることは間違いなく、不仲 → 離婚へまっしぐら。。。 という公式が成立していきます。 実際にこういうご家庭があるからこそ、こういう話も出てくるのでしょう。 「nannyとの関係を考える」みたいな講演会で顔を合わせた、nannyとその雇い主たちのご対面は、まるでアメリカ社会の経済格差を見せつけられるようでした。 雇い主たちである専業主婦はほぼ100%WASPだったりセレブだったりするのに対して、雇われる側のnanny達の顔ぶれを見てみると、ヒスパニック系やアジア系の移民たちが多いんです。 それだけ、nannyは必要とされてはいるけれど薄給だったり社会的地位が低かったりするわけです。 だけどnannyだって人間なんだし、無理な注文ばかりさせられたらキレたくもなるわけで。
それよりも何よりも気の毒なのは子供たちです。 親に構ってもらえない寂しさからnannyに対して反抗したりいたずらしてみたり。迷惑被るのは周囲です。 親の愛情を必要としている時に邪魔者扱いされてしまって、この寂しさの行く先をどこに持って行ったらいいんだろうね。。。 可哀そうに。 グレイヤーのふくれっ面を見ながらそんなこと考えました。 育てないなら子どもなんて作らないでよ! って言いたくなるくらい、親たちは勝手でした。父親はビジネスと愛人三昧、そして母親は夫に構ってもらえない不満をたっぷりと溜めながらそのはけ口を求めるかのように社会的活動にのめり込んでいく。 気がついた時は子どもがどういう状態になっているかなんてわかっていない。けど自分たちは中心になっちゃっているから、自分たちの方針が実に滑稽であることは絶対にわからない・・・ 見ている側としては面白すぎる設定ですね。 ちょっと気になったのは物語の設定です。 文化人類学を専攻したからと言っても、家庭の中に子守として入ることでその学問の足しになるとはあんまり思えないような・・・。 児童学や社会学だったら参考にはなりそうですが。 その視点で子守に入るのですから、長く真っ当に努めようとはさらさら思っていない。 けどもうちょっと考えて他の仕事にするんじゃないのかなあ~ って私なら思う。 そうすることでアニーが高いポジションに上って行ってしまったら、彼女はもしかしたら将来的にはnannyを雇う側になるのかもしれないですしね。 ・・・とまあ、そんな余計なことに思いを馳せつつも、自然体のスカちゃんの本音系の演技は久しぶりのような気がしましたので、その爽やかさにまたまた秋の2本目(→ これが大本命ですよねw)に期待を抱きつつ劇場を後にしたのでした。 ここ数年は、役になりきらないといけない役が多かったような彼女でしたから、こういう、素に近い演技もたまにはいいものです。ラストに希望も持てましたし。 あとは、アリシア・キーズですよね。。。 まさか映画に出るとは思わなくて、でもとっても素敵でしたし大人っぽい演技でした。願わくばサントラでも歌っていただきたかったけどね。
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こんばんは~
>この作品はこちらでは公開されていないです、残念。 >クマがキレる?の謎は深まるばかりです(^-^*) あららん。。。 涙 これ、かなり突っ込めますし楽しめると思いますよ^^ クマにキレる、それがこの映画の全てなので、ネタバレを読まないように注意して(!)、DVDをお楽しみください! >もう1作は、今から楽しみにしています♪ ----- ・・・ね♪ 試写会さんざん出したのですがダメでした(涙 恐らくかなりの人気だろうと予想してます^^ 早く観たいですね!! (2008.10.18 19:58:08)
振り回されたのはグレイヤーでしたね。
ママも大好きだけど、パパも大好きだったように思えたけど、離婚は予感していたのかな?とか思ったり。 手紙ではそれほど「後を引いていない」とのことだったけれど、アニーにとっては寂しいことですよね。中途半端なアニーに対するちょっとした仕返しと思った次第です(^^) (2008.10.18 20:07:50)
子供が本当に可愛そうでした。
何のために子供を作ったんでしょうねぇ? やっぱり「跡継ぎ」が必要だからかな? 「生みっぱなし」という言葉が頭をかすめましたよ。 (2008.10.18 20:10:58)
こちらにもありがとうございます^^
>振り回されたのはグレイヤーでしたね。 >ママも大好きだけど、パパも大好きだったように思えたけど、離婚は予感していたのかな?とか思ったり。 グレイヤーの不安そうな表情が切なくて、それを隠すためにいろいろと困らせてみるのも何となく気の毒でした。その感じを出せたのですから、彼の演技は成功ですよね。 あの年齢ですと離婚予測は難しいかもです。 >手紙ではそれほど「後を引いていない」とのことだったけれど、アニーにとっては寂しいことですよね。中途半端なアニーに対するちょっとした仕返しと思った次第です(^^) ----- どっちもどっち、っていう感じでしょうか?? でも、情が移った人とお別れするのはちょっと悲しかったりしますよね。子どもであっても。 (2008.10.18 20:22:47)
どうもです^^
>子供が本当に可愛そうでした。 >何のために子供を作ったんでしょうねぇ? >やっぱり「跡継ぎ」が必要だからかな? こういうおうちがきっとNYにはたくさんあるんだろうな~ って思いながら観てました。 子どもは所有物じゃなくて人格があるのに、それをわかってない親。子どもはおもちゃでもなく、アクセサリーやブランド物でもないのにね。 その家庭を観ている側としては、確かに「文化人類学」の勉強にはなったかもしれないですね(笑 >「生みっぱなし」という言葉が頭をかすめましたよ。 ----- 何となくわかります。日本だってNYを笑えないくらい(→ とは言ってもここまではいかないかな??)、子どもを私物化している親の多いこと。。。 苦笑 (2008.10.18 20:27:13)
スカーレット・ヨハンソンってフェルメールの「真珠の耳飾りの少女」
で初めて見た女優。 かわいいといえばかわいい人で気にはなるんだけど、 すごい美人?というオーラがイマイチないんですけど、 なんか女優というより一般の人ぽい。(笑) マッチポイントではやや妖艶な女役でセクシーさを 出していたんだけど・・・ なんか演技がイマイチなような・・・ でも、気になるあの容姿は不思議な女優さんです。 コメディー向きじゃないと勝手に思っています。(笑) (2008.10.19 12:13:30)
こんにちは。
>スカーレット・ヨハンソンってフェルメールの「真珠の耳飾りの少女」 >で初めて見た女優。 上の記事のアフィリにもいろいろ作品載せておきましたよ。 >女優というより一般の人ぽい。(笑) そうは言っても、これだけ出てますから、単に美人というだけではない何かがあるんでしょうね。 >なんか演技がイマイチなような・・・ まだ若いですからねf^^; >でも、気になるあの容姿は不思議な女優さんです。 >コメディー向きじゃないと勝手に思っています。(笑) ----- 作品の中で、ハッキリとコメディーだったのは『タロットカード殺人事件』だけです。 『クマにキレ・・』も、コメディーではなくってヒューマン系? ですね。 彼女は時代物が似合いますね。 (2008.10.19 12:47:06)
こんばんは~♪
意外にも?楽しめました。 やっぱり等身大のスカちゃんがキュートだし(どうして、あんなに妖艶に見える時があるの?ってぐらい)おパンツ姿さえ、セクシーではなく、可愛かったし(笑) クリス・エヴァンス・・・なんでコレに出たのかな~?とちょっと疑問。。。 それにしても、タイトルと内容の接点があれだけだなんて。邦題って・・・ (2008.10.19 22:15:53)
TBありがとうございました!
スカちゃんはキュートで好きですね。 来週より公開の「ブーリン家の姉妹」はとっても楽しみです。 アリシア・キースには歌って欲しかったですが...歌わないですね。残念でした。 (2008.10.19 22:37:16)
こんばんは~
>やっぱり等身大のスカちゃんがキュートだし(どうして、あんなに妖艶に見える時があるの?ってぐらい)おパンツ姿さえ、セクシーではなく、可愛かったし(笑) 彼女の魅力ですよね。黙っていても絵になるし、活動的でもキュートだし^^ >クリス・エヴァンス・・・なんでコレに出たのかな~?とちょっと疑問。。。 でも、まあまあ、今回の作品ではよかったんじゃない!? >それにしても、タイトルと内容の接点があれだけだなんて。邦題って・・・ ----- ・・・ですよねえ(笑) もうこうなると、ピンクのクマちゃんを前に出したいからか!? と考えちゃったりして(苦笑 (2008.10.20 02:39:13)
こんばんは^^
>スカちゃんはキュートで好きですね。 >来週より公開の「ブーリン家の姉妹」はとっても楽しみです。 私も大好きなんです。『Lost in Translation』でファンになりました。ほとんど彼女の作品は観てますね。 『ブーリン・・』、めちゃくちゃ自分的にはツボっぽい映画なので、早く見たいです^^ >アリシア・キースには歌って欲しかったですが...歌わないですね。残念でした。 ----- あの歌声聴きたかったですよね。彼女は今回は女優に徹したのかな? (2008.10.20 02:41:48)
おもしろいタイトルだと思ってましたが 内容もなかなかのようですね。
お金があるということは 人格があるということには比例しないよね ナニーというのが日本では定着がまだまだですが、人に預けるのがだめで邪魔だから虐待がいいのかなんていうことにはならず、最近では本当に産まなきゃよかったじゃないと思うことが多いですね 悲しい (2008.10.20 18:44:30)
おはよ~
>おもしろいタイトルだと思ってましたが 内容もなかなかのようですね。 アメリカ現代事情、って感じですね。 >お金があるということは 人格があるということには比例しないよね お金があるけど自分たちのことしか考えてない人、がたくさん出てきました(笑 >ナニーというのが日本では定着がまだまだですが、人に預けるのがだめで邪魔だから虐待がいいのかなんていうことにはならず、最近では本当に産まなきゃよかったじゃないと思うことが多いですね 悲しい ----- 子ども受難の時代ですよね。 大人が大人になりきれてないから? 世界共通の社会の病巣です。 (2008.10.21 06:49:25)
コレは観たい作品だったんですが、まずまずってとこでしょうか。
設定がたぶん私も気になるかも。。 でも、カメラに向かって切れて文句をいうところがみてたい^^ (2008.10.23 12:16:25)
こんにちは~
>コレは観たい作品だったんですが、まずまずってとこでしょうか。 そうですね。楽しめましたよ^^ >カメラに向かって切れて文句をいうところがみてたい^^ ----- スーっとしましたよ(笑 あんまりな登場人物ばかりでしたんで^^; (2008.10.23 14:59:24) |