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テーマ:映画館で観た映画(8350)
カテゴリ:洋画(は行)
原題: THE OTHER BOLEYN GIRL 監督 : ジャスティン・チャドウィック 原作 : フィリッパ・グレゴリー 出演 : ナタリー・ポートマン 、 スカーレット・ヨハンソン 、 エリック・バナ 、 ジム・スタージェス 、 エディ・レッドメイン 、 アナ・トレント 公式サイトはこちら。 <Story> 16世紀のイングランド。 新興貴族のトーマス・ブーリン卿(マーク・ライランス)は一族繁栄のために才気あふれる美しい娘アン(ナタリー・ポートマン)を国王ヘンリー8世(エリック・バナ)の愛人に差し出すことを目論む。 ところが、王の心を捉えたのはアンの妹で凡庸だが気立ての良いメアリー(スカーレット・ヨハンソン)だった。 一家は宮中に移り住み、メアリーは王の子を身籠る。 一方、妹に栄誉を奪われたアンは一時フランスへ追放されるが、やがて呼び戻され、大胆にも王妃の座を狙って策略を巡らすのだった。 ブーリン家の姉妹 - goo 映画 <感想> ようやく鑑賞できました。 観たくて観たくてしょうがなかった1本。 女は、男の出世や快楽のための道具なの? そう叫ぶレディ・エリザベス・ブーリンの願いも虚しく、ブーリン家の姉妹は歴史に翻弄されていく。 16世紀のイングランド。女は通貨のように取引されるのが当然であり、妃や愛人となって出世することはすなわちその一族の繁栄を表していた時代。 この映画の構成する上で重要な要素として、ナタリー・ポートマン演じる姉、アン・ブーリンと、スカーレット・ヨハンソン演じる妹、メアリー・ブーリンの対比がかなりの比重を占めており、彼女たちの魅力も相乗効果で引き出されている。
史実ではもう有名なお話です。 実際は、メアリーが姉、そしてアンが妹という設定。この映画では姉妹の順を逆にしています。 思いもかけず、先にヘンリー8世の愛人となった無欲な妹・メアリー。 心優しく、地位や名誉よりは自分を愛してくれる男性と巡り合いたい。そんな彼女は、日々策略と闘っている王の孤独に触れ、そして素直に王を愛していく。 だが一族に希望を託され、野心を持って王に近づく姉・アンと、気まぐれな王の心変わりによって、彼女の束の間の無償の愛も終わっていく。
生まれながらにして利発な子っているもので、たぶん姉のアンはきっとそんな子だったんじゃないかと。 一を聞けば十がわかる、打てば響く、そんな女の子のイメージ。 ですがその利発さが、女の場合、時に邪魔をすることがあります。 相手と共存できる聡明さならよいのですが、 自分の存在を上げたいがために相手をやり込めてしまうものになると、その利発さは相手に疎まれてしまう。 だから頭のよい女性は、身の処し方を考えないといけない訳です。 愛の駆け引きの場合、相手の男性が必ずしも利発な女性を求めているわけではなく、側 にいてくれるだけで満たされる魅力をもった女性がいいってことはよくある話なので。
女として絶対の揺るがない愛が欲しい。そして社会的にも一番の地位を求めたかった。そのために策略を練った姉・アン。 初めは王の心を惹きつけることに成功するが、 1人の女性の存在が政治を変え、宗教を変え、国を変えてしまう恐ろしさに気がついて行く王は、次第にアンに対しても猜疑心を抱き始めて。 そこで彼女が考える策略、これが結果、悲劇に繋がる。 利発さも時には考えもの・・・ 自分の人生も含め、全てを狂わせてしまった存在である姉なのだが、それでもなお彼女を支えていきたいと願う妹。 野心が歪んだものであり、そして質素であることが限りなく自然体に見える瞬間。 どこまでいっても対照的なものを提示することによって、ラストの悲劇を際立たせる。 自尊心が強くて頭脳明晰、勝気な姉アンをナタリー・ポートマン、 そして心優しく状況が読める妹メアリーをスカーレット・ヨハンソンが演じている。 2大女優の共演、というところに注目が集まっているが、このキャスティングは正解。 ナタリーはどことなく冷酷な感じを醸し出すことに成功しているし、 逆にスカーレットは、全てを忘れさせてくれるような素直さを備えて、 謀略の渦に巻き込まれた男が思わず引き寄せられてしまう、温かみがあるキャラクターを出している。 善きにつけ悪しきにつけ、2人の女優の素の部分を引き出せたのが、 この映画にさらに魅力と深みを添えることとなった。 エリック・バナ演じるイングランド王ヘンリー8世。 これはもう古今東西、王であるが故、血族を保つが故の男の勝手さ? ですね。 あとはジム・スタージェスくん。最近注目株の彼、重要な役でここにもご出演です。 彼のような存在があって、後のエリザベス・ゴールデンエイジが訪れたのもまた事実。
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