2012/04/23(月)07:28
『プライド』 (2008) / 日本
監督 : 金子修介
原作 : 一条ゆかり
出演 : ステファニー 、 満島ひかり 、 渡辺大 、 高島礼子 、 及川光博 、 由紀さおり 、 五大路子 、 長門裕之
鑑賞劇場 : 109シネマズ川崎
公式サイトはこちら。
<Story>
声楽家を志す萌(満島ひかり)は、ハウスクリーニングのバイトで同じく声楽科の史緒(ステファニー)と知り合う。
1枚5万円のオペラのチケットをゴミ箱に捨てるお嬢様の史緒。
驚く萌を、史緒はその夜の公演に誘う。
しかし、会場で音楽界の人々を見て、格差を思い知らされた萌は、史緒に激しい憎しみを感じる。
貧しい家庭で育った萌は、実はしたたかな野心家だったのだ。
父親の会社が倒産し、史緒が一文無しになったことを知ると、同じ境遇の萌は反撃を始める。
プライド - goo 映画
<感想>
マンガってほとんど読まないのですが、これは予告から楽しみにしていました。
もともと、「牡丹と薔薇」みたいなのが大好きなので。
こういう、女同士の対決ものってわくわくするんですよねw
とにかくこれはすごい迫力です。
ステファニーは見た目もゴージャスだし、歌も当然としてうまい。
対する満島ひかりは元Folder5のメンバー。ちょっとハスキーな声がセールスポイント。
この2人の対決です。
(C) 2008プライド製作委員会
自分は恵まれていることが当たり前になっていて、そのプライドから抜け出せない人と、
どんだけ貧乏くじを引きっぱなしかわかんないくらいどん底の生活から、何があってもくたばらないことを学び、どんな汚い手を使ってものし上がろうとする人と。
プライドが邪魔をして、
あるいはかなぐり捨てたはずのプライドが別の形で自分を縛りつけていて。
どっちもどっち。
あなたには、プライドというものはないの?
劇中の史緒のセリフ。
プライドはあってもいいが、自分の邪魔をするプライドならいらない。
プラスになるプライドのみが役に立つ。
ステファニーは、自分の声に対して、蘭丸が史緒に指摘したのと同じような悩みを抱えていた、と語っている。
つまりは、「うますぎて心に引っかからない声」ということだろうか。
歌手はうまければ売れるわけではない。心がないと売れない。この映画を通じて恐らく彼女は大きく成長していると信じている。
逆に満島ひかりは、萌に共感できた、と語っている。
すなわち沖縄から幼くしてショービズの世界に入って、Folderの経緯とともに浮き沈みも味わって・・・ という自分の境遇と、
どんなことをしても這い上がる、相手を蹴落とすハングリー精神を持つ萌とに、共通点を見出したようだ。
(C) 2008プライド製作委員会
この2人を軸に、取り巻くキャストがまた素晴らしく。
蘭丸役の渡辺大くんの女装は、寒気がするほど綺麗だったし似合ってた。
及川ミッチーもセレブがどんぴしゃ。
そして高島礼子さんは言わなくてもママってわかるし(笑
五大路子と由紀さおりの火花もよかったですねー。
妥協しない終わり方もよかった。
普通ああいう風になると、誰かが情に流されて、ああそうなっちゃうのね的な考え甘い結末が1つ2つあるものだけど、それがない。
「いらぬプライドを捨て、誇りを持つ」ことに妥協していない。それがいい。
こういう邦画が観たいのです。無駄がなくて妥協していない邦画。
**********************************
今日の評価 : ★★★★★