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2009/04/22(水)09:59

『重力ピエロ』 (2009) / 日本

邦画(か行・さ行)(89)

監督 : 森淳一 原作 : 伊坂幸太郎 出演 : 加瀬亮 、 岡田将生 、 小日向文世 、 吉高由里子 、 岡田義徳 、 鈴木京香 、 渡部篤郎 試写会場 : 京橋テアトル試写室 公式サイトはこちら。 <Story> 遺伝子を研究する大学院生・泉水(加瀬亮)と芸術的な才能を持つ2つ年下の弟・春(岡田将生)は、仲の良い普通の兄弟だ。 優しい父(小日向文世)と三人で、平穏に、そして陽気に暮らしている。 だが、この家族には春の出生に関わる哀しい“過去”があった。 その原因をもたらした“ある男”(渡部篤郎)が街に戻ってきた。 そして、時を同じくして不審な連続放火事件が発生する。 その現場には謎めいたグラフィックアートが残されていた…。 [ 2009年5月23日公開 ] (仙台では今週末より先行上映) 重力ピエロ - goo 映画 <感想> お誘いいただき、Yahoo!レビュアー試写に同行させていただきました。早く観たかっただけに大変有難い試写。 珍しく原作本を読んでいます。 「春が二階から落ちてきた」 これで始まる原作の通り、映画も全くその通りの作風です。 春の仙台の空気感がいっぱいいっぱい、詰まっています。 その中で繰り広げられる血脈のお話。 (C)2009「重力ピエロ」製作委員会 今回、泉水と春の役、加瀬くんと岡田くん以外には考えられなかったであろうとつくづく思いました。 どこかのんびりとしていて、だけど懸命に家族を想う泉水と、 そして自らの運命を受け流しているようで、実は苛まれて克服しようとしている春。 この兄弟が要なんで。。。 加瀬くんは、優しくて、のっそりとしているようで、熱いハートを持つ兄にぴったりで、 「誰の印象にも残る美少年」という設定は、岡田くんしかいないですね。 小日向文世さんと加瀬くんが似ているっていうのも、1つポイント高い部分。 ここもかなり重要です。 鈴木京香さんも私の中ではイメージに合っていました。 渡部さんも、極悪人、冷血な感じもうまかったんですよね。 ネタばれになるんであまり書きませんが、家族の絆、雰囲気、そして謎の解明・・・ どこをとってもぴったりという感じ。 そしてそして。子役くんたちもまたすごかった。似ているんですよ・・・。 加瀬くんと岡田くんに! よくこんなにイメージにぴったりな子役くんたちがいたもんだ、と。お見事でした。 最近では、伊坂幸太郎×某監督、というコラボが定着しつつあるのか・・・? と思っただけに、このように大変シンプルなアプローチから伊坂作品を作って下さったのは大変うれしいことです。 設定は多少の変更はあったものの、原作の雰囲気をほぼそのまま残しつつ、大切にして作ったということが観て取れます。 大事に作った作品は、見るものを引き込み、そういった多少の変更点など気にならないくらいの運び方でした。 あらすじをわかっていても、ぐいぐいと惹かれる面白さです。 その一因として、グラフィックアートの分かりやすさもあったかもしれません。これを映画化するならどんな絵が出てくるのか? というのもかなり気になっていただけに、この絵もまたシンプルで作者の伝えたいことがわかりやすく、スタイリッシュでもあり、十分合格点をあげたいです。 そして上映終了後は森淳一監督のティーチ・インがありました。 風邪を引いていらして、「鼻水が止まんないんです」と仰せでしたがとっても面白くて気さくな監督。 キャスティングについても細かくお話をしてくれました。 それぞれのキャラクターが持つイメージを大事にして選んだというのがよく分かるんですね。そして、映画化にあたって、本を映画にした時の違和感を少なくしようとして、設定を変更して行った過程もお聞かせいただき、そんな細かい部分を大事にしておられるのが伝わってきています。 やっぱり、丁寧に作られている映画に間違いはないですね。 原作を読んでから映画を観ても違和感なく、すんなりと溶け込んで、「俺たちは最強の家族だ」というメッセージもしっかりと刻みこんでいます。 ********************************* 今日の評価 : ★★★★★   

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