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2009/05/06(水)21:37

『ホノカアボーイ』 (2008) / 日本

邦画(は行・ま行)(62)

監督 : 真田敦 原作 : 吉田玲雄 出演 : 岡田将生 、 倍賞千恵子 、 長谷川潤 、 喜味こいし 、 正司照枝 、 蒼井優 、 深津絵里 、 松坂慶子 鑑賞劇場 : ヒューマントラストシネマ渋谷 公式サイトはこちら。 <Story> ハワイ島の北、ホノカア。 ここでは月に虹がかかるとき、願いが叶うという…。 恋人(蒼井優)に振られ、大学を休学したレオ(岡田将生)は、とにかく日本を離れ、ただ違う風景の中にいたかった。 そして、ひょんなことからホノカアの映画館で映写技師として働くことに。 レオが初めてこの町にやってきたのは半年前。 見た者に最高の祝福をくれると言われる“月の虹【ムーンボー】”を探し求めて、恋人と一緒にハワイ島に。 しかし“月の虹【ムーンボー】”は見られず、かわりに道に迷って辿り着いた町がホノカアだった。 不思議な魅力に吸い寄せられるように再びやってきたこの町でレオが出会ったのは、風変わりだけど優しい人たち…。 出会い、恋、ごはん、そして別れ。 レオが大人になるために必要なもの。そのすべてがホノカアにはあった…。 ホノカアボーイ - goo 映画 <感想> どうしようか、スルーしようかと迷いながらも結局観に行きました。 前に『いとしい人』をガーデンシネマに観に行った時、このホノカアボーイの小物とかセット、写真の展示がロビーであり、それを見てすごく可愛かったし、映画に出てくる食べ物がとっても美味しそうだった(笑)  すごくいい雰囲気だったので、それで観に行こうと決めました。 この映画の予告の、ゆったりまったりした雰囲気は、『かもめ食堂』『めがね』にすごく近いと思いました。『かもめ』は★5つだけど『めがね』は★3つだったんで、これは大当たりか大ハズレかのどっちかと予想しました(笑)  自分の場合、意味のない強引なファンタジー系はとことん苦手なのです。 ですけど、その2本とも違う雰囲気でしたね。 まず設定がハワイ・ホノカア。 実在する外国の町のお話。 当然ホノカアの自然とか風土、伝統などが出てきます。 その設定の中で、日本人のコミュニティがあり、ここに出てくる人たちが生きているということ。 「ハワイハワイと来てみたけれど・・・」 倍賞千恵子さん演じるビー。 ビーはいつも穏やかに、そして少しだけ茶目っ気を出して生きている。 彼女の歩んできた人生は若いころはきっと波乱万丈で、けど懸命に生き抜いてきたもので、もちろんそのことを彼女は納得はしているのだけれども、長く生きてきた中でもどこかさみしさが心の中に溜まっていったのかもしれない。 ビーの作る料理はどれも本当に美味しそう。 「猫の餌」の白身魚の煮付け、ロールキャベツ、スパム寿司、海苔巻、海老フライ、炊き込みごはん、本当にどれも食べてみたくなってきます。 中でもやっぱりマラサダでしょうね~。 これはぜひ作ってみたいと思います。 そんな素敵な料理、やっぱり食べてくれる人がいてこそ、料理も輝いてくる訳で。 ビーの生活に飛び込んできたレオの存在は、変わらない日常を送っていたビーに喜びをもたらしたんでしょうね。 (C)2009フジテレビジョン/電通/ROBOT 大学を休学してまでホノカアに滞在しようと思ったレオ。その理由はハッキリとは述べられてはいないけれど。 だけど彼の行く先にはなぜだか、いいものがつながってくる。 どんなものとは定義はできないけれど、とにかく一緒にいてよかったっていうオーラがレオにはある。 だけど、レオにはレオの都合というものもある。 やっぱり恋だってしてしまったりする。 自分の中の、まるで少女のようなジェラシーに気が付いてしまったビー。 そこで彼女がとる行動はかなりシャレになってなかったけど、そんな風に拗ねたりするのだって生きている証拠だから。 風のように、どこからともなくやってきて、そしてまた来た時と同じように、風に乗って還っていく。 潔い、と言うべきなのだろうか。 周りのひとたちが1人、また1人と去って行って、そして自分の去り際はいつなんだろうと見極めている人たち。 去るにあたって、自分が培ってきたことをきちんと次代に残していく始末の仕方。 ホノカアに吹く風のように、どこまでも穏やかに、たゆたえながら、生きていっている。 シンプルながらも、この主題がきちっと完結されているところが、この映画を観た後にすがすがしさを残す所以ではないだろうか。 今の岡田くんにはどうしようもなく勢いがある。 『天然コケッコー』のときはどっちかというと夏帆ちゃんに目が行っていたけど、あれから数年したら断然岡田くんはカッコよく素敵になっているし(笑)、そして素で演じることが本当に似合う俳優さんになっていた。 誠に残念ながら『ハルフウェイ』は私のツボではなかったけれど、それでも自然の中での彼の存在は光っていたし、『重力ピエロ』に至ってはもう完璧。 今年は彼の年になることはたぶん間違いないしこれからも伸びていってほしいです。 そして倍賞さんがあのキャラクターになるとは! のんびりと、自分に起こることを受け止めていって。 衣装もポップな感じで可愛らしかったし、何といっても黄色いワンピのところなんてもう完全に「少女」。 いくつになっても可愛い女性なんですね。 この映画で可愛いと言えば、松坂慶子さん。 彼女は『大阪ハムレット』で、あまりの変わりぶりにちょっとビックリしてしまったんですが、この映画では可愛らしさを前面に出しているのがすごくよくわかる。 仕草にしても、話し方(なぜか大阪弁なんですが)にしても、衣装にしても。 そんなに食べて大丈夫かな・・・? とも思ったりしますが(笑)、それでも彼女のラブリーさはあちこちで引っ張りだこになるだろう。 で、この映画のラブリーなキャラクターたちのとどめは、何といっても喜味こいしさんではないだろうか。 「年を取ったからといってやっちゃいけないことなんて、 ないんだぜ」 この言葉、なんだか最高にクールだし、粋だよね。 こういう強さを持って生きていきたい。 ********************************** 今日の評価 : ★★★★☆  

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