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びー。@ Re:久しぶりぃ〜(09/01) おかえりなさいませ? なんか違うな。別荘…
みえこ55@ Re:2015年my映画ランキング:元気にしています(01/02) お久しぶりです〜^o^ ブログにコメントを…
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rose_chocolat@ Re[1]:2015年my映画ランキング:元気にしています(01/02) みえこ55さん こちらこそレス遅くなりす…
2009.05.27
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監督・脚本・原作 : 西川美和

出演 : 笑福亭鶴瓶 、 瑛太 、 余貴美子 、 井川遥 、 香川照之 、 八千草薫


試写会場 : 京橋美学校


公式サイトはこちら。



<Story>


山あいの小さな村で、唯一の医者として人々から慕われていた男(笑福亭鶴瓶)が失踪した。
やがて警察による捜査がすすむにつれ、経歴はおろか出身地さえ曖昧なその医師、伊野の不可解な行動が浮かび上がってくる。

[ 2009年6月27日公開 ]


ディア・ドクター - goo 映画
ディア・ドクター - goo 映画





<感想>

銀座・京橋方面の長い長い1日。。。
この日最後のネタにやっとたどり着きました。 
夜は友人にYahoo!ユーザーレビュアー試写会にお誘いいただき、こちらを鑑賞してきました。
『ゆれる』ですっかり西川美和監督のワールドに取りつかれてしまった私、西川監督のティーチ・インが試写終了後にあると聞き、もう何が何でも行きます! と即お返事。 お誘いありがとね~

この作品も、『ゆれる』同様、西川監督オリジナルの原作です。
西川監督のどこが好きかっていうと、静謐な場面の中に、誰も予想だにしない驚くべき着眼点を持たせながら、人間の心の闇をえぐりだしていくところなんです。
台詞も何もない、ただ風景だけの場面のはずなのに、ストーリーに見事に一致しているし、そして幾通りもの解釈を観客にイメージさせる。
素晴らしい才能です。


映画自体はネタバレは厳禁と思われる感じなので、感想書くのはかなり難しい。
なので時間経っちゃってます。 監督もおっしゃってましたが、「粘り」なんだなあこの映画は・・・ と思います。
読んでてネタばれかもしれませんから、ここから先は自己責任でお願いします。










別記事でティーチ・インの内容は詳しく書きますが、西川監督はこの映画の着想を、自分自身の葛藤から思いついたと語った。
前作『ゆれる』の評価が、自分が思い描いていたもの以上にはるかに高く、そしてそのことと、実際の自分の技量が他の監督さんと違ってまだまだ足りていないのに次回作に期待されてしまうことのギャップに、かなり悩まれたそうです。
自分はこんなに技量がないのにみんなが期待する、それってイミテーションの私にみんなが騙されているんじゃないか。
そんな想いからこの映画は生まれたそうです。
つまりこの伊野自身には西川監督が投影されています。



「その嘘は、罪ですか?」



この作品のコピーにもなっています。
なのでこの作品には嘘が登場する。 自分が認められたい、無条件で尊敬されたいがための嘘と、前途に希望を持たせるための嘘と。
どちらも嘘のレベルとしてはかなり罪です。 特に後者。
その嘘の真実を知った時、周囲は嘘をついた人間を見限る。 それだけでなく、後者の嘘の場合は、つかれた人間を奈落に突き落とすことのできるほどの威力を持ってしまっていた。
だが全てを知った時、つかれた方はうすうす感じ取っていたのではないだろうか。 優しい言葉だけでは何も意味がなかったことを。


優しい言葉と書きましたが、嘘と両輪でこの映画を支えるものがこの「優しさ」。
伊野は現状に満足しつつも、周囲や村人がこちらの意志におかまいなく、惜しみなく出してくる優しさや、自分への買いかぶりに対して、「そんなんじゃない」と否定している。 この考えに近いものとして『百万円と苦虫女』を思い出してしまう。 あの優しさは時に持ち重りするくらい、ずっしりと強引にこちらに入ってくる優しさであった。 ワッショイワッショイと優しく盛大に持ち上げられたのは、伊野であり西川監督でもあった。





ディア・ドクター
(C)2009『Dear Doctor』製作委員会






そして看護師・大竹朱美の優しさ。 彼女の目線は、伊野と過ごしてきた日々の中で彼に向けられたもの。 彼の本質的な優しさに賛同しつつも、危うさも十分認識していて、それでも彼を失いたくない気持ちから彼を守るために、大竹は「優しく」する。
斎門の優しさは、自分が伊野の想いと少しでもオーバーラップしてしまうがための贖罪からも来ている。 また相馬の優しさは、それまでの彼の人生には存在しなかった伊野の姿勢に触れたことから始まった。
鳥飼かづ子・りつ子親子だって伊野には優しい言葉だけ。 命の恩人なので当然と言えばそうなのだが、却ってその言葉の1つ1つが凶器となって伊野に向かってくるように彼は感じたのではないだろうか。 その場にいたたまれなくするほど、彼を良心の呵責に苛ませるくらいの威力は十分にあった。
自分の周囲を優しくさせる伊野の真摯な姿勢。 だがそこに隠された原因と、生み出した結果が日に日に大きくなってくるにつれ、そのことに耐えられなくなる伊野。 
そして彼は叫ぶ。 「俺はそんなんじゃない! 俺を買いかぶるな!」
ここにも西川監督の感じた矛盾があぶりだされている。
優しさも、もらう方に後ろめたい気持ちがある限り、それもまた罪になるものなのだ。





人間の心に棲む、はっきりとは定義できないほどの醜さとか闇を抉りだし、それを何気ない台詞や風景に織り交ぜて描く西川監督の手法には今回も唸らされた。 ストーリーが進行していく過程で、時折出てくる景色でさえも、決して深い意味はないです。。。と監督はもしかしたらおっしゃるかもしれませんが、ですが観ている側には何かしらのメタファーを感じさせている。
ラストシーン、駅で終わりでも・・・というお声が後のティーチ・インで上がったが、このラストにしたことによって観客がしっかりとついて来れたのは確かだと思う。
観た人、1人1人が、違った感想になるような映画を作りたい。 そう監督は仰せでした。
この映画を鑑賞して数日経つが、観終わった直後には思わなかったことをまた思い返したりしている。 そんな余韻を残す手法は小説的でもある。 きっとこれが彼女のスタイルなのであろう。





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今日の評価 : ★★★★☆



  














Last updated  2009.07.27 10:44:39
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