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テーマ:試写会で観た映画の感想(678)
カテゴリ:邦画(は行・ま行)
監督 : 佐藤祐市 脚本 : いずみ吉紘 出演 : 小池徹平 、 マイコ 、 池田鉄洋 、 田辺誠一 、 品川祐 、 田中圭 、 中村靖日 、 千葉雅子 、 森本レオ 試写会場 : 映画美学校 公式サイトはこちら。 <Story> 高校中退でニートのマ男(小池徹平)は、母(朝加真由美)の死をきっかけに一大決心。 プログラマの資格を取得して、なんとか小さなIT企業に就職する。 しかし、そこは想像を絶する“ブラック会社”だった! サービス残業・徹夜は当たり前、ありえない仕事量、納期を目指して毎日デスマ(デスマーチ:死の行軍)が続く! 超過酷でへんてこな職場と、クセ者ぞろいの同僚たちに、マ男の限界はピークに。 「もう俺は限界かもしれない!!」果たして、マ男の運命は…? [ 2009年11月21日公開 ] ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない - goo 映画 <感想> Yahooユーザーレビュアー試写会にて鑑賞。 会場はほぼ満席。 正直とても長いタイトルだと思いますし(笑)、チラシなんかでもにぎにぎしかったので、お笑いに近いノリなのかと思ってました。 まあそれは当たってるって言えば当たってるんですが。。。 最近の過重労働ぶりを象徴するような話だし、昨年の世界同時不況からの雇用確保の難しさなども織り込まれている。 タイトルから、もっともっと「映画にはできない」という意味のブラックな会社なのかと思いましたが、あくまでも労働者サイドからみた場合のブラックさのようです。 会社自体は正当なことをしてはいても、それが従業員の精神的・肉体的な犠牲の上に成り立っているようではダメなことは百も承知している。 が、しかし、現実にこのような会社はきっと存在しているだろう。 その原因が外部からの圧力とか競争に勝てないとなどというのならまだ社内で奮起すればいいという道もあるが、 内部同士の足の引っ張り合いが会社の発展を妨害しているとしたら、出社するのも嫌だろうし、ストレスの持って行き場がなくなる。 ここに出てくるリーダーは、自分の権威だけが大事で、そして井出はリーダーの腰巾着。 彼らのイジメのターゲットもちゃんと存在している。 そして白馬の王子様やみんなの憧れもいるし。 やっぱりあるんだろうなーこういう会社(苦笑 「そんな会社しか拾ってくれなかった」マ男が、救いようがない現実に直面しても逃げられない理由も本当に切ないのですが、過去の自分と決別していく彼が、いままでどうしようもなかった周囲を動かして行く。 中西さんも上原さんも藤田さんも、それまではなかった自分の思わぬ面が、マ男の存在で引き出されていく。 実際にはこの結末はどうなんだろう・・・? と思わなくもないが、これもこういう世の中なんで、いいのかもしれない。 結構笑わせていただいてしまったし。 上映終了後、佐藤祐市監督のティーチインがありました。 ・キャスティングについて 小池徹平くんとは旧知の間柄だったんで、この映画は彼で行くと聞いた時は、正直やりやすいと思った(笑 アイドル系のように見られがちな彼だが、実は骨っぽいものを持っていて、演技に対しての取り組み方とか、現場での姿勢なんかがとても好きな俳優でもあります。 1人の「役者」として彼を見てほしいという思いがありますね。 品川祐さんは沖縄でご一緒だった時、飲みに行って「態度が悪い人だな」と思ったんですが(笑)、最後に小声で「今度使って下さい」なんて言ってました(笑) お笑いの人は根が真面目なんですね。 こちらからオファーをした時に快諾してくれました。 マイコさんは、普通の女性が言うと嫌みになってしまうところが、彼女が言うとそうは聞こえないような部分があり、立派にコメディエンヌとして素質がある女優さんだなと感じました。 組み合わせについては、リーダーが品川さんなら井出は誰がいいのか、など、原作も非常に濃いキャラクターなので、考えながら決めていきました。 ・小道具について リラックマ=マイコさんっていうイメージはあまりないだろうなと思い、敢えて採用しました(笑 ああいう感じで、会社で見ている人も多いんじゃないかなと思いまして。 割とそんなところもこだわっています。 ・この映画で愛情を込めた部分は? 最後のマ男の選択はもしかしたら今よりももっと辛いものになるかもしれないが、逃げることよりも、一歩を踏み出すことを描いて行きたかった。 過去の自分を決別することは悲しいと小池くんが言ってましたが、何かを捨てないと先には進んで行けないから。 あとは最後にみんなが協力するところなどでしょうか。 他にも、実際にIT企業で働いているのでこの映画は人ごとには感じなかった、とか、 今就活中なので参考にしたい、などの方々もおられました。 先が見えない、希望が持ちにくい時代だからこそ、ブラックさの中にもユーモアがあり、シニカルな目線もありという本作は、楽しませてくれそうです。 そして佐藤監督は、とてもユーモラスで明るい監督でした。 そして笑いに対してもすごく真面目に取り組んでおられる印象。 劇中に出てくる、某映画のパロディなんかはかなり笑ってしまった。 キャラクターの特徴も、例えば木村くんなんかは冷酷なのにどこかズッコけていたり、通り一遍の性格だけじゃなくて、その人の裏側ものぞかせているなど、細かい配慮がなされた作品でした。
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