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テーマ:映画館で観た映画(8349)
カテゴリ:洋画(あ行)
原題: THE YOUNG VICTORIA 監督 : ジャン=マルク・ヴァレ 出演 : エミリー・ブラント 、 ルパート・フレンド 、 ミランダ・リチャードソン 、 ポール・ベタニー 、 ジム・ブロードベント 観賞劇場 : TOHOシネマズシャンテ 公式サイトはこちら。 <Story> 18世紀の英国。 ウィリアム王の姪ヴィクトリア(エミリー・ブラント)は王位継承者として権力争いの真っ只中にいた。 実母であるケント公爵夫人(ミランダ・リチャードソン)でさえ、野望を抱く愛人のコンロイ(マーク・ストロング)と共に娘を操ろうとするが、ヴィクトリアは断固として摂政政治を拒否する。 18歳で即位した年若い新女王が頼りにしたのは首相のメルバーン卿(ポール・ベタニー)だった。 さらに、政略結婚を企むベルギー国王(トーマス・クレッチマン)が従弟のアルバート(ルパート・フレンド)を送り込むが、2人は互いに一目で恋に落ちるのだった。 ヴィクトリア女王 世紀の愛 - goo 映画 <感想> 仕事納めになり、学校も終業式で家族が家にいると、実に映画に出にくく、 30日がレディースデーなので、結構無理無理に(笑)3本(そんなに観るなよ。。。苦笑)観賞させてもらっちゃいました。 今日観賞した分で今年の映画観賞は閉めます。 急いで書かないとなー。 これはその1本目。 シャンテ前は、朝も早よから大行列! でして、 開映に間に合うか冷や冷やしましたが、どうしてもこれは観ておきたかったので頑張って並びました。 エミリー・ブラントはこれで3作品目の観賞です。 『ジェイン・オースティンの読書会』、『サンシャイン・クリーニング』と観てきて、それぞれの役に応じて個性をきちんと出せる女優さんという印象です。 可愛らしいかと思えばコケティッシュでもあり、それでいて地に足がついたイメージも出せる。 この3作品を見ただけでも全く違うだけに、彼女の幅広さが買われているように思いました。 そんな彼女が今回はヴィクトリア女王の役。 この映画では、彼女が戴冠し、アルバート公との結婚生活のエピソードのいくつかを描いている。 どちらかと言うと恋愛映画の要素が強く、いわゆる植民地時代、イギリス帝国の絶頂期であるヴィクトリア朝の統治そのもののことは本作にはない。 とにかく後継者争いは血生臭い経緯をたどってきたイギリスだけに、ただ単に王位継承者と言うだけですんなりと王冠がやってくるとは限らない。 まして女王、それも年若いとなるとなおさらのこと。 側近や親族が彼女を想っての行動というのが実は彼女を利用するだけだったり、女王にならないことを願ったり、反対に女王になったらなったでどういう風に食い物にしようかと画策したり。 王室メンバーと政治家はまるで違う目的なのに、政治家の後ろ盾がないと実に不安定な女王の座であることを観客は知ることになります。
周囲の言いなりにならない信念を持って女王の座に就いたヴィクトリア。 しかしそこはまだ若い身空故に、周囲に流されたり経験不足があったことは否めない。 本当の意味での支えが欲しいとアルバートを迎えたのに、真に自分を導いてくれる人物がすぐには見分けられない。 自分の役割に介入してくるだけの人間としかアルバートを見れないうちは恐らく、真のパートナーシップが築けていなかったのだろう。 しかし互いを一目で好きになったと言われる2人のこと、その関係が次第に強固になっていく様子は微笑ましい。 動かされる駒ではなく、自分たちで勝てる法則を見つけ出して行こうという彼らの目論見。 それは、絶対的に自由でありながらも責任は計り知れないほど重く、また孤独である2人の共通項が生み出した、同志としての考えだったに違いない。 お互いがお互いを必要として支え合って、そこに共通の認識があるカップルは強いですね。 彼らが9人の子を成し、幸福な結婚生活を送ったことは、チェスの駒のように伴侶を与えられる身分にあっては本当に幸せなことであり、イギリスの一時代を築き上げていくにふさわしい、最強カップルであったのだろう。 エミリー・ブラントは、若い女王を一心に演じていた。 恐らく彼女にとっても本作は大役であっただろうし、それと若くして女王の座に就くヴィクトリアの戸惑いとが重なりあったようで、少し不安げな表情はぴったりであった。 それでいて女王の威厳も保ちながら、若いカップルの躍動感も出さなくてはならず、難しい役だったけど好感を与えることには成功したように思う。 彼女の衣装も、ほぼ毎回違っており、これも観賞の楽しみの1つかもしれない。 ルパート・フレンドも、少し控え目にしないといけない求婚者から、「女王の夫」という立場まで、微妙な立ち位置を演じることになった。 女王よりも前に出過ぎてはいけないし、彼女を助ける必要もある。 その中でも彼女への愛を不器用ながらも表現していたのは爽やかだった。 コンロイ役のマーク・ストロングは『ワールド・オブ・ライズ』 『ロックンローラ』、コンロイの政敵の首相・メルバーン卿役のポール・ベタニーは『クリエイション ダーウィンの幻想』 で十分に演技を観ているだけに、彼らの男っぷりを観るのも楽しかった(笑 やっぱり単純にカッコいい。。。 ^^ メルバーン卿は最後あんなに物分かりがよかったのかはわからないけど、当時のイギリス議会での駆け引きに一役買っていた事情を観るのは面白い。 そしてコンロイとケント公爵夫人とのいきさつが説明されてなかったのは残念だけど、まっすぐなマークの表情は個人的に好きです(笑 欲を言えばヴィクトリア朝の統治時代の様々なことがあると、もっと面白かったかもしれないですが、ヴィクトリア女王の若き日々、彼女の基盤が作られた時代の話としては興味深く観賞できた。 主演の2人の演技が好感が持てるし、話もオーソドックスなので、難しい知識がそんなになくてもすんなりと入って行ける歴史物。 豪華絢爛な宮殿内部や衣装も、目を楽しませてくれる。
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