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テーマ:映画館で観た映画(8344)
カテゴリ:邦画(た行・な行)
監督 : 荒戸源次郎 原作 : 太宰治 出演 : 生田斗真 、 伊勢谷友介 、 寺島しのぶ 、 石原さとみ 、 小池栄子 公式サイトはこちら。 <Story> 資産家の息子・大庭葉蔵(生田斗真)はある日、同じ画塾に通うという堀木(伊勢谷友介)に出会った。 遊び人の堀木の影響を受け、放蕩三昧の日々を過ごす葉蔵。 女にも苦労しなかったが、やがてそんな生活に疲弊していく。 そして彼は、カフェの女給・常子(寺島しのぶ)と鎌倉の海で心中を図るが、自分だけが生き残ってしまう結果に。 事件後葉蔵は、子持ちの記者・静子(小池栄子)の元に転がり込み、仕事を世話してもらうのだが…。 人間失格 - goo 映画 <感想> 鑑賞するのどうしようかなと本当に迷った作品でしたが、とりあえず太宰ものは押さえようという気持ちのほうが勝ち(笑)、時間を合わせて鑑賞。 原作は昔読んでいました。 今回この映画を観賞するに当たり、再度読みたくて文庫でも買おうかと思っていたら、家にたまたま全集があったのを思い出し、よく見てみたら「人間失格」も収録されていてラッキーでした。 改めて読み返してみますと、この映画、原作にかなり忠実に描かれていることがわかります。 中学の跳び箱のシーンの「道化」や、それぞれの女たちとの出会いと別れなど(多少の脚色はありますが)。 ただ・・・。 全体的に綺麗すぎるのですね。 映像が美しいのはよいことなのですが、果たして太宰が描いた葉蔵(=太宰本人)はこんなに綺麗な感じで生きていたのかな? と感じてしまいます。 ツネ子と心中するところ、モルヒネをもらうところ、セツと過ごすところ・・・。 どれもが美化されすぎているように思いました。 女優陣も多く出てきましたけど、 寺島しのぶさんの演技は群を抜いていたように感じました。 (ただ原作ではツネ子は葉蔵より2つ年上なだけなので、この設定は年が離れすぎかも) 坂井真紀さんも、下宿屋の娘さんというには少々トウが立ってたかも。 あと、セツのシーンが映画ではすごく美しいものに変身してしまっていたのにはびっくりです。 中原中也とのことは原作にはなかっただけに、本当にそれでいいのか? という気もしないでもありませんでしたが・・・。 映画化なので仕方ないでしょうか。 「頽廃的」「与太者」という言葉が原作には出てきていて、これが一種のキーワードのようになっているのですが、 主な登場人物たちにはあまり頽廃の香りを感じなかったかも。 女性たちとのシーンも、原作は不健康で生々しく、ある意味殺伐としているように受け取れるのですが、映画では1つ1つに気持ちがきちんと入ってしまっているようでした。 生き生きとしてしまっているんですね。 それはたぶん、演じている役者さんたちがごく普通に健康的に、順調に生きているからこその証なんだと思いますが・・・。 廃人になったところもその雰囲気はあるものの、どうしても素が健康なだけに「廃する」ような感じがしてこないのです。 普通に考えれば、1つ1つの動作に心が入っているほうがいいのですけど、 本作の場合は、どこか厭世的なムードが多めにあるほうが雰囲気としては合っているような気がしまして。 まあ、そこは受け取る側の都合ですので、もちろんこれが幻想的でいいという方もおられるとは思います。 自分の場合は、あまり本作には「人間失格」の要素が感じられなかった、それだけです。 ************************************ 今日の評価 : ★☆ 1.5/5点 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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