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テーマ:映画館で観た映画(8350)
カテゴリ:洋画(ま行)
原題: MOLIERE 監督 : ローラン・ティラール 出演 : ロマン・デュリス 、 リュディヴィーヌ・サニエ 、 ファブリス・ルキーニ 、 ラウラ・モランテ 鑑賞劇場 : ル・シネマ 公式サイトはこちら。 <Story> 1644年・パリ。 22歳の演劇青年モリエール(ロマン・デュリス)は、「タルチェフ」や「人間嫌い」などで成功した喜劇王にはほど遠く、駆け出しの役者に過ぎなかった。 仲間たちと意気込んで旗揚げした劇団は、経営難で破産の危機に。 債権者に訴えられて投獄されたモリエールは二度目の釈放の後、忽然と姿を消す…。 すべてのモリエールの伝記で空白になっているこの数ヶ月間の間に何が起こったのか? モリエール 恋こそ喜劇 - goo 映画 <感想> これも単館上映なんで、下手したら見逃しそう? と思ったんだけど、 うまい具合にスケジュールが合ったので行って来ました。 火曜サービスデー、初回と2回目は満席。 へぇ、人気あるんだ~。。。 これ、『PARIS』に出てたロマン・デュリスだし、そして『ジャック・メスリーヌ』のリュディヴィーヌ・サニエちゃんも気になるしで、見逃したら絶対に後悔しそうな予感満載。 よかった観に行けて。 喜劇を生み出したフランスの劇作家・モリエールの若き日のエピソードに焦点を当てて 描いた作品です。 劇団の困窮の故に取引をしたモリエール。 流れ着いた先は、商人・ジュルダンの家だった。 そこで繰り広げられる数々の滑稽な話、真剣な恋愛の話、上流階級のゴシップ。 それらが全て、後の彼の肥やしになっていく。 それにしても当時の風俗の滑稽なことといったら・・・。 結婚しているのに、他の異性に秋波を送ることなんて当たり前、「愛を得るのだ~」などと堂々と言い放って作戦を立てるなんて(笑 今では笑止な話だけど(そうじゃない地域もあるかもだけど)、いい歳(!)こいて何やってるんだって本気で笑ってしまう。 みんな性懲りもなくって感じで。。 真剣に笑える~ 大体20歳で未亡人っていうのもかなり怪しい話ですが(笑)、堂々と頽廃と高慢さと美しさを醸し出していたサニエちゃん。 やっぱりうまいなーと。 適当にいただくものはいただいて、後はうまく鼻であしらうなんてまさに彼女の得意な役っぽい(笑 当時の上流階級の腹黒さも否応なくはさまれています。 結婚を踏み台にしてのし上がりたい野望、財産目当ての策略、その場しのぎの嘘。。。 どれもこれもみんな面白い。 昔から人間の考えることなんて変わってないし。 それらをモリエールはシニカルな眼で見つめている。 笑い、非常識、涙、そして恋。 それら全てを肥やしにして、 彼の劇の中にペーストして盛り込んで、みんなに笑いとして還元していっている。 案外したたかでもあり、また情に厚いところもあったり。 きっと公私にわたって根っからの役者なんだろうなあ・・・ と思わせる。 そしてそれを彩るのが彼とエルミールとの恋。 ラウラ・モランテは艶っぽかったですね。 あんな熟女さんなら恋しても悔いはなさそうっていう感じです。 邦題にもあるように、この映画の基本は「喜劇」なんです。 演劇全般に対してとてもプライドを持ち、大衆的な喜劇よりも悲劇の方が 価値があるのではないかと考えるモリエール。 ですが人にはそれぞれ「立ち位置」というものがあり、 それぞれのポジションで活躍をした方が、その人にとっては幸せなんじゃないかと思うことがたくさんある。 今の自分のなすべきことを忘れて溺れそうになった時、分別をわきまえた行動ができるかどうか、 または周りが引きとめてくれるのかどうか。 それもその後の自分の人生を大きく左右するような気がします。 モリエールはたぶん、人に恵まれたのだろう。 彼の行くべき道を指し示す人がいたから、その後の彼の名声を築けた訳ですし、 それぞれの活躍すべき場所で輝いていくことが、人間にとっては一番のことのようにも思うから。 笑いを根底に置いているので、あくまでも後味は爽やかですし、 いろいろな世界を垣間見せてくれながら、人間模様についても考えさせてくれる作品でした。 意外な掘り出し物といった印象です。 フランス映画好きさんなら、観て損はありません。 ************************************ 今日の評価 : ★★★★ 4/5点 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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映画そのものが喜劇なんで、フランス映画にしては軽やかですよね。あんまり普段フランス映画を観ない方はこういう作品から入るととっつきやすいかも。
ウチの嫁にもチケットあげて観ておいでって送り出しました。(笑)普段なら絶対フランス映画なんかみない人ですが、普通に楽しめたっていってましたよ。 (2010.04.02 00:49:16)
こんにちは~
フランス映画の、難解だったり重ためなところが好きなんだけど、 本作は喜劇に深みを持たせていて、いい感じでしたね。 エンドロールまでしっかり楽しめました。 お嫁ちゃんにチケまであげたんですかー! のろけてるぅぅぅ~ (2010.04.02 15:17:11)
火曜日サービスデーはやはり混んでいたのですね?
私が観た日はガラガラで驚きましたが...。 ロマンとファブリスのコンビが実に良かったです。あまり期待しないで観に行ったもので、とにかく面白くて、楽しくてフランスの喜劇はすばらしい!ですね。 ロケされた景色、特にあのお庭が気に入りました。 (2010.04.03 00:24:27)
こんにちは~
火曜日に行っちゃいました(苦笑) 初回2回目は満席でしたけど、そのあとはそこそこの混み具合。 自分もこれはそんなに期待しないで行ったので、嬉しい驚きでしたね。 ちゃんと最後まで手を抜かない喜劇はよかったです。 (2010.04.03 06:37:56)
rose_chocolatさん、こんばんは。
トラックバック&コメントありがとうございました。(*^-^* そうそう、ロマン・デュリスは近年では『PARIS』にも出演していたんですよね。 フランス映画を観ているとロマン・デュリスはよく出演していますよね。 でも、今までの作品ではそれほど印象には残っていなかったけど、 『モリエール~』の彼は存在感がありました。 サニエちゃんの現代的な容姿は昔の貴族モノには少し違和感はあったけど、 視線や仕草、台詞回しはコケティッシュな独特の個性が光っていて上手かったですよね。 そして、実年齢30歳で20歳の役というのも凄い☆ >ですが人にはそれぞれ「立ち位置」というものがあり、 それぞれのポジションで活躍をした方が、その人にとっては幸せなんじゃないかと思うことがたくさんある 自分の立ち位置を見い出すのは容易ではないけど、 モリエールにはアドバイスしてくれる人がいて、 モリエール自身がそれを受け入れていける寛容さがある。 モリエール自身が素直な人だったからこそ、周囲の人も誠実にアドバイスしてくれたのでしょうね。 (2010.04.14 23:19:10)
こんにちは~
>『モリエール~』の彼は存在感がありました どうしても『PARIS』はピンで主演じゃなかったですし、エピソードも多かったから、仕方ないんでしょうね。 本作はもうたっぷりと彼のよさが出てました。 >実年齢30歳で20歳の役 これもすごかった。 まんま20歳ですよねえ(笑 全く遜色なかった。 それだけサニエちゃんが綺麗なんだと。 >モリエール自身が素直な人だったからこそ、周囲の人も誠実にアドバイスしてくれた 昔の人は、今と違って、 自分の「分」をわきまえていたように思いますから、 引き際もモリエールはちゃんと心得ていたんだと思いました。 それが活路を見出すきっかけになったんでしょうね。 (2010.04.15 13:19:51) |