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テーマ:映画館で観た映画(8184)
カテゴリ:洋画(は行)
原題: PRECIOUS: BASED ON THE NOVEL PUSH BY SAPPHIRE 監督・脚本 : リー・ダニエルズ 出演 : ガボレイ・シディベ 、 モニーク 、 ポーラ・パットン 、 マライア・キャリー 、 シェリー・シェパード 、 レニー・クラヴィッツ 公式サイトはこちら。 <Story> ニューヨーク・ハーレムに暮らす16歳の黒人少女プレシャス(ガボレイ・シディベ)は、二人目の子どもを妊娠していた。 彼女は実の母(モニーク)からも虐待を受けている。 妊娠の事実が学校に知れ、プレシャスは学校を退学になる。 代替学校に通い始めたプレシャスは、レイン先生(ポーラ・パットン)と出会い、文字が読めるようになり、自分の感情を文字で人に伝える方法を知る。 そして、劣悪な環境から抜け出そうと戦い始める…。 ![]() プレシャス - goo 映画 <感想> 今年のアカデミー助演女優賞受賞作品。 内容的にも強烈な印象を感じたので行って来ました。 予告でもわかっているんですが、プレシャスの周辺はこれ以上ないくらいの悲惨な状況が溢れてしまっている。 家庭内での精神的・肉体的・性的虐待、貧困、適正ではなかった教育機会。 これだけあってよくプレシャスが曲がらずに生きていると思う。 この最悪な状況を一気に出すことが目的なのか、あるいはこれが現状と言うことを示したいのかがわからないけど、 この中で生きていけというのはあまりにも辛い。 社会的なつながりの基本となる「親」という存在。 その親に、両親ともに、子として扱ってもらえなかったプレシャスの事例は、アメリカでは珍しくはないのかもしれない。 児童虐待がクローズアップされてから20数年だろうか。 日本ではここまでのことはそうそうないのかもしれないけど、それでも隠れているプレシャスが存在しているようにも思う。 モニーク演じる母親が、自分の満たされない要求をプレシャスにぶつける。 そこには子を1人の人格者として扱うという意思は感じられない。 このまま一緒にいては負の連鎖が続くだけである。 プレシャスは自分の子にはそうなってほしくない、また自分もそうしたくないという思いで、今の環境から抜け出そうとする。 それにはまず教育をつけないといけない訳ですよね。 彼女を取り巻く大人たちの目線が温かい。 自立して信念を持っているレイン先生は、1人1人に「書く」作業を通じて自己表現力をつけさせる。 それも決して否定せず、個々に合わせている。 ミセス・ワイスを演じた歌姫、マライア・キャリーがすっぴんに近い表情でいることがすごく新鮮でもあり、好感が持てる。 恐らく彼女自身にも黒人の血が流れているからオファーが来たように思うけど、それでもきちんと役に向かい合う姿勢は観ている方にも伝わってくる。 そしてレニー・クラヴィッツもクールで真面目で・・・ という、女の子に絶対モテそうな看護師役。 私も面倒見てもらいたいっ・・・ というのは冗談ですが(笑) 絶対的に受け入れないといけない人に、悲しいことに拒絶されていても、 自分を理解してくれる人たちがきちんといるということは本当に重要なこと。 だからプレシャスは、呪縛を断ち切って自分の足で進むことができたのでしょう。 このような哀しい目に遭っている、全ての子どもたちに対するメッセージですね。 ********************************** 今日の評価 : ★★★☆ 3.5/5点
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