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テーマ:映画館で観た映画(8184)
カテゴリ:洋画(は行)
原題: EL SECRETO DE SUS OJOS/THE SECRET IN THEIR EYES 監督 : ファン・ホセ・カンパネラ 出演 : リカルド・ダリン 、 ソレダ・ビジャミル 、 ギレルモ・フランチェラ 、 パブロ・ラゴ 、 ハビエル・ゴディーノ 鑑賞劇場 : TOHOシネマズシャンテ 公式サイトはこちら。 <Story> 刑事裁判所を退職したベンハミン(リカルド・ダリン)は、残された時間で25年前に起きた忘れ難い事件をテーマに小説を書くことを決心し、かつての上司で今は判事補のイレーネ(ソレダ・ビジャミル)を訪ねる。 それは1974年、銀行員の夫と新婚生活を満喫していた女性が自宅で殺害された事件。 当時、渋々担当を引き受けたベンハミンが捜査を始めてまもなく、テラスを修理していた二人の職人が逮捕されるが、それは拷問による嘘の自白によってだった…。 ![]() 瞳の奥の秘密 - goo 映画 <感想> 第82回アカデミー賞外国語映画賞を受賞したことで、 とにかく混んでます。 これ。 当日並ぶなど、自殺行為です(苦笑) 夕方の回までネットでは満席でした。 まあ、この日は、公開初日&土曜&TOHOシネマズデイっていう「三重苦」だったからかもしれませんが。。。 vitもかなり並びますので、ネット予約でも30分前には行かないとダメです。 なのでできたら前日までに窓口で買って発券しておくと、 ストレスなく観賞できます。 アルゼンチン映画はあまり日本には入って来ないので、 これはかの地の映画を知るにはちょうどいいきっかけともなりそうです。 まずこの主役の2名がいい。 実年齢プラスマイナス20歳くらいの幅を演じます。 特にソレダ・ビジャミル。 彼女の老け方はとても自然で、齢を取っても恐らくこうなるのであろうと思わせる。 リカルド・ダリンは若い頃は少々無理があったかな? ですが、問題は年齢ではないように思います。 彼らの落着きぶりが、実にこの映画にふさわしかったということです。 幅広い年齢層を演じられる役者さんのキャスティングの成功ですね。 これは、完全なる法規ものでもミステリーでも恋愛ものでもない。 どこかクロスオーバーした、曖昧な着地点を狙っています。 それにはアルゼンチンの当時の時代背景を知らないと完全には分からない部分があります。 サッカーだけではない歴史。 ファン・ペロン、イザベル・ペロンの失脚、失政、そしてクーデター。 政局の混乱がもたらしたものは、貧困だけではなく、社会的な腐敗もだった。 正義というものが通用しない時代において、何を根拠に生きていけばいいのか。 遣る瀬無い想いを抱えながら生きる人たちが見い出すものは一体何なんだろうか。 とてもいい映画でした。 ですが、惜しい。 25年間という歳月の中で、何を感じてそれぞれは生きていたのか。 どうにもならない期間がやっぱりある程度描かれるとよかったかなと思います。 あと、アルゼンチンの社会情勢に通じていない、通り一遍の観賞者にとっては、背景がわからないだけに疑問が残る部分がある。 ゴメスの処遇などがそうですね。 どうしてそうなったのか? と。 もっとも、それを知っていることを前提に、アルゼンチン国内の層を意識して作ったのであれば普通なのですけど。 しかしながらこんなに長い期間、耐えること自体がもう、それぞれの人間にとっては刑罰のような気もしてきます。 ベンハミンとイレーネのことと、事件のこととが縦糸と横糸になり、 それが「瞳」というキーワードでつながっていく。 確かに、瞳はその人を語るものがありますけどね。 それだけを理由のない根拠にしてたベンハミンをアシストした、イレーネの誘導はうまかったです。 しかしながら、ラストに持っていく感じが少々無理があったか? 個人的には、列車の場面とかとても好きなんですけどね。 「いくじなし」だけで終わってしまったとしたら、少々掘り下げが足りないようにも思いましたけど。。。 あと、パブロのことですね。 彼がそうしたのは、単純にあきらめたからなのか? ここも何か一つ欲しかった気がします。 落ち着いた雰囲気は好きですし、こういうテーマも好きなのですが、 どこか1つ足りないような印象は否めません。 惜しいな。。。 それでも、観る価値は十分あるとは思います。 ********************************* 今日の評価 : ★★★★ 4/5点
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