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2010/10/21(木)05:40

【午前十時の映画祭】『眺めのいい部屋』 (1987) / イギリス

洋画(な行)(24)

原題: A ROOM WITH A VIEW 監督: ジェームズ・アイヴォリー 原作: E・M・フォースター 出演: ヘレナ・ボナム・カーター 、デンホルム・エリオット 、ジュリアン・サンズ 、ダニエル・デイ・ルイス 、マギー・スミス TOHOシネマズ午前十時の映画祭『眺めのいい部屋』ページはこちら。 <Story> 1907年。 イギリスの良家の令嬢ルーシー・ハニーチャーチ(ヘレナ・ボナム・カーター)は、年上の従姉シャーロット(マギー・スミス)に付き添われ、イタリアのフィレンツェを訪れる。 イギリス人観光客がよく利用するペンション“ベルトリーニ"についた二人は、部屋が美しいアルノ河に面した側でないことにがっかりする。 シャーロットが苦情を言いたてるのを聞いたエマソン(デンホルム・エリオット)は、息子のジョージ(ジュリアン・サンズ)と共に泊っていた眺めのいい部屋と交換してもいいと申し出てくれるのだった。 イギリスの階級意識に束縛されない自由な考えの持ち主であるこの親子に奇異な眼を向けるイギリス人観光客たち。 一度はためらったシャーロットであったが、偶然に同宿していたハニーチャーチ家の教区のビーブ牧師(サイモン・カラウ)に説得され、申し出を受ける決心をする。 眺めのいい部屋 - goo 映画 <感想> むかーし、この映画は観たかな? と思ってたんですが、 これじゃなくて『ハワーズ・エンド』だったことを思い出しました。 でもE・M・フォースター作品は割と読んだり、映画見たりしていますので、 これも絶対に外せないと思って頑張って行って来ました。 今見るとそうそうたるキャストですよね。 ヘレナ・ボナム・カーター、ダニエル・デイ・ルイス、ジュディ・デンチ。 みんな当たり前ですが若い!! アクがないというか・・・ そんな表情です。 ヘレナなんて、とても「赤の女王」とは思えないくらい初々しくてかわいいんですよね。 ダニエルが主役かと思ったら違って、ジュリアン・サンズでした。 彼は初めて鑑賞します。 昔ながらのしきたり、階級制度、風習に縛られていることが当たり前で、 当然としてそれを意識して生きることもなかったルーシーは、 イタリアの地で自由な空気に触れ、またジョージに出会って、 自分の心に正直に生きることに目覚めていく。 オールドミスのシャーロットからしてみれば、それが論外であることはもちろんだけど、 彼女に縛られることはされたくないと、ちゃんとルーシーは考えている。 このあたり、ルーシーは意外としっかりしている。 自立できる下地は十分あった。 ラヴィッシュ女史が見抜いていた、ルーシーの変身の伏線もここにある。 どんなに理知的であったとしても、人を理解できない人とはやっていけない。 ルーシーに、それを見抜く力をくれたのはジョージだった。 そして心からその人を求めて、本気で好きになるということも。 やっぱり、相手を求めているときは違うんですよね。  ジョージとセシルを比べて見ても分かりますけど。 そして自分も惹かれないと恋はできない。 イタリアでの体験が、ルーシーに"view"を与えたんですね。 "We have a view"という場面は、最初ともリンクしており、なかなか考えてあります。 オープニングや区切り、エンドロールに出てくる絵も、この映画の雰囲気にぴったりでした。 そして出演者たちの若かりし頃の演技は、今見ても本当に色褪せていない。 イギリスの地方の美しい風景も見どころですが、 ラストをはじめとしたフィレンツェの街並みが生み出すドラマには、永遠に観る者をわくわくさせる非日常性がありました。 ********************************* 今日の評価 : ★★★★ 4/5点   

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