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2010/11/12(金)21:47

【午前十時の映画祭】『バベットの晩餐会』 (1987) / デンマーク

洋画(は行)(108)

原題: BABETTE'S FEAST/BABETTES GASTEBUD 監督 : ガブリエル・アクセル 出演 : ステファーヌ・オードラン 、 ジャン・フィリップ・ラフォン 、 グドマール・ヴィーヴェソン TOHOシネマズ午前十時の映画祭『バベットの晩餐会』ページはこちら。 <Story> 19世紀後半、デンマークの辺境の小さな漁村に、厳格なプロテスタント牧師の美しい娘、マーチーネとフィリパは住んでいた。 やがてマーチーネには謹慎中の若い士官ローレンスが、 フィリッパには休暇中の著名なオペラ歌手アシール・パパンがそれぞれ求愛するが、 二人は父の仕事を生涯手伝ってゆく決心をし、歳月がたち父が亡くなった後も未婚のままその仕事を献身的に続けていた。 そんなある嵐の夜、マーチーネとフィリパのもとにパパンからの紹介状を持ったバベットという女性が訪ねてきた。 バベットの晩餐会 - goo 映画 <感想> オリジナル公開時は全然この映画の存在すら知らなかったんですけど、 食事のシーンが出てくるということで(名場面らしい)鑑賞してみました。 全然聴いたことのない言語だなと思っていたら、デンマークでの話でした。 道理でわからないはずです。 娘たちを、伝道の支えにしていた父親というのは、どんなものかと思うんですよね。 小さいころからそれしか生きる道がないと思わせることは、子どもにとって非常に選択肢が狭まり、気の毒なことのように思えるのですが。 でもそれがその家族が考える幸せであり、絶対の価値観であるならば、 それに従わざるを得ませんね。 いろいろなものをあきらめて、それでも十分人生は満たされる・・・ と思ってきた姉妹でも、寄る年波には不安を覚えるのでしょうか。 バベットとの予期せぬ出会いもまた、見えぬ糸で繋がっていたかのようなものでした。 バベットもまた、苦悩を抱えながら、しかしそれを一切見せずに 自分を救ってくれた姉妹のために懸命に働いています。 波乱万丈、一寸先は闇の時代だからこそできることでしょう。 とても今のように物質的に恵まれていては、このようなことはできないに違いありません。 そしてこの映画のクライマックスとなる晩餐会のシーン。 贅を尽くした食材、そして料理の数々にはため息が出ます。 正統派のフランス料理とはこういうもの、そして準備の様子も観れるのは興味深いですし面白かった。 思うようにならない、複雑な気持ちを抱えて生きるのが 人間だと思うのです。 最初はこうあってほしいと思った、こうなりたかった、それが叶うこととそうでないことが あります。 それを最後に神の御心を持って昇華させていくのが、何故か胸に迫ってきました。 それは決してあきらめではなく、かと言って主張とか願望でもないということです。 この世で自分にしかできないこと、それをやっていくことで 来世に繋がっていくという考え、何となく普遍的な気がします。 自身の方向性に悩む時、鑑賞してみるといいのかもしれません。 そんなテーマが清々しく思える作品でした。 ********************************** 今日の評価 : ★★★★★ 5/5点   

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