2011/03/21(月)22:11
『ランナウェイズ』 (2010) / アメリカ
原題: THE RUNAWAYS
監督: フローリア・シジスモンディ
出演: クリステン・スチュワート 、ダコタ・ファニング 、マイケル・シャノン 、
ステラ・メイヴ 、スカウト・テイラー・コンプトン
公式サイトはこちら。
震災後、映画鑑賞をどうしよう・・・と結構考えてました。
停電&運休情報、クルマで行こうにも映画館自体が休館とか、再開時期不明とか、
そういう情報ばかりでして。 ガソリン残量も気になるしね。
ですが自分の住む地域が停電になる時に家にいても何もすることがなく、
電車も通りそうだったんで、準備はしてから行くことにしました。
映画館も昨今の不況に加えて、今回の震災の余波で、
たぶんですが、危機的状況になっていると推察します。
映画の公開中止やら無期延期も相次ぎ、
シネコンですら点検やら様子を見るために休館・休映が多いのに、
ミニシアターなんてどうなっちゃうんだろう・・・。 と、想いを馳せる。
本作で取り上げられている、ランナウェイズについては正直知らなかった。
ランナウェイズには少し早すぎた世代でした。
ザ・ランナウェイズ Wikipedia
ランナウェイズは知らないけど、このメンバーの中の、ジョーン・ジェットの"I Love Rock 'n Roll"、これは大好き。 これは聴いてた。
なぁ~つかしぃぃぃ~~~!!!
青春だわ。
そして、主役の2人を演じるのが!
シェリー・カーリー役がダコタ・ファニングちゃん、そして、
ジョーン・ジェット役がクリステン・スチュワート!
これは予告の時点で相当期待してしまいました。
そしてその期待は裏切られなかったですね。 よかった。
彼女たちがどうしてランナウェイズに参加したのか。
どうしようもなく持て余す若さだとか自立精神だとか、そういったものがもう弾けんばかりのエネルギーになっていく。
シェリーはデヴィット・ボウイをフィーチャーした自分を念頭に置いていたし、
そしてジョーンはジョーンで強烈な自己確立の願望があったし。
残りのメンバーもそれぞれ音楽に対しては強烈な想いがあって・・・。 となってきて、
それがメンバーを惹きつけていく。
あの当時ってまだまだ女性バンドは珍しくて、というか、キワモノ扱いで、
「女の子バンドはあっち行け!」と差別されたり、演奏大丈夫? 的な見方もされたようだけど、
ランナウェイズは確実な演奏のテクニックとメンバーの個性によって、人気と実力を兼ね備えたバンドとして見られていく訳です。
そんなに頑張っても「女の子バンド」という地位はまだまだ低くて、話題づくりが必要だったり・・・という実態は気になりました。
ジョーンは、そういううわべだけのもので自分たちを見られたくなかったんだろうし、
またシェリーも自分を付加価値だけで評価してほしくなかった。
精一杯の彼女たちの「抵抗」ですよね。
そんな彼女たちを演じた主役の2人、これがまた見事にスピリットを受け継いでいるかのような演技です。
この映画の原作がシェリー・カーリー、ジョーン・ジェットが製作総指揮ということで、撮影中は主役2人と過ごす時間も多かったようで、そういう所からも吸収出来たものが大きかったんだと思います。
まさに彼女たちしかいない! という感じのキャスティングでした。
この、↓の "Cherry Bomb" なんかもう、映画はまるまる再現していましたね。 衣装も音楽もバンドの雰囲気も。
とにかく、当時のランナウェイズに何があったかをきちんと伝えたいという意気込みが伝わってくるんですよね。
それは主役2人のみならず、他の出演者たちもそうだったと思います。
映画はランナウェイズが道程をたどったところで終わり、ジョーン・ジェットのその後の世界的活躍を予感させる空気につなぎますが、この終わり方も余韻を残していていい。
クリステン・ステュワートは、『トワイライト』とは全く違うワールドに足を踏み入れ、しかもジョーン・ジェットになりきることに成功している。 最後のラジオの出演シーンなんて、とんでもなく雰囲気とか貫録があった。
そしてダコタ・ファニングも、少女時代のイメージをかなぐり捨てて、大人の女に届きたいけどガラスの心も持ち合わせる難しい役を演じていた。 あのダコタちゃんが・・・なんてもう言えないですね。 完全に少女から女への移り変わってます。
欲を言えば、ジョーン・ジェットの視点からもうちょっと映画を動かしてほしかったようにも思うけど、それでも本作、なかなか唸らせるものはありました。
おまけ映像。
"Cherry Bomb"も、ジョーン・ジェットバージョンならこんな風にハードになってるし。
とまあ、なんか管理人の趣味で、
今日の日記はジョーン・ジェット祭りみたいになっちゃいましたが(笑)
終わりは最近ヒットした『キック・アス』の中で、クロエちゃんがマフィア殺しまくっちゃうシーンでもかかってた、
こちらの曲を聴きながら・・・。
★★★★☆ 4.5/5点 →ジョーン・ジェットやらクリステン加点ありまくり。