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2020/05/23(土)19:38

ねじまき鳥クロニクル

演劇(外国人演出家)(18)

 ねじまき鳥クロニクル                        原作:村上春樹  演出・振付・美術:インバル・ピント  脚本・演出:アミール・クリガー  脚本・演出:藤田貴大  音楽:大友良英  照明:ヨアン・ティボリ  音響:井上正弘  ヘアメイク:宮内宏明  舞台監督:足立充章  東京芸術劇場 プレイハウス  開演13:30  S席1階M列センターB  (これまで座席位置は記録していませんでし  たが、最近記憶が薄れるのが早いため記録  することにしました。過去に観た公演もおいおい追記しようと思います) ★ホリプロ「ねじまき鳥クロニクル」公式  https://horipro-stage.jp/stage/nejimaki2020/                      《キャスト》                 <演じる・歌う・踊る>  成河/渡辺大知……岡田トオル役  門脇麦………………笠原メイ役  大貫勇輔……………綿谷ノボル役   徳永えり……………加納クレタ/マルタ役  松岡広大……………赤坂シナモン役   成田亜佑美…………岡田クミコ役   さとうこうじ………牛河役  吹越満………………間宮中尉役   銀粉蝶………………赤坂ナツメグ役 <特に踊る>  大宮大奨、加賀谷一肇、川合ロン、笹本龍史、東海林靖志、鈴木美奈子、西山友貴、皆川まゆむ (50音順) <演奏>  大友良英、イトケン、江川良子 《ストーリー》 岡田トオルは妻のクミコとともに平穏な日々を過ごしていたが、猫の失踪や謎の女からの電話をきっかけに、奇妙な出来事に巻き込まれ、思いもよらない戦いの当事者となっていく――。 トオルは、姿を消した猫を探しにいった近所の空き地で、女子高生の笠原メイと出会う。トオルを“ねじまき鳥さん”と呼ぶ少女と主人公の間には不思議な絆が生まれていく。 そんな最中、トオルの妻のクミコが忽然と姿を消してしまう。クミコの兄・綿谷ノボルから連絡があり、クミコと離婚するよう一方的に告げられる。クミコに戻る意思はないと。 だが自らを“水の霊媒師”と称する加納マルタ、その妹クレタとの出会いによって、クミコ失踪の影にはノボルが関わっているという疑念は確信に変わる。そしてトオルは、もっと大きな何かに巻き込まれていることにも気づきはじめる。 何かに導かれるようにトオルは隣家の枯れた井戸にもぐり、クミコの意識に手をのばそうとする。クミコを取り戻す戦いは、いつしか、時代や場所を超越して、“悪”と対峙してきた“ねじまき鳥”たちの戦いとシンクロする。暴力とエロスの予感が世界をつつみ、探索の年代記が始まる。 “ねじまき鳥”はねじを巻き、世界のゆがみを正すことができるのか? トオルはクミコをとり戻すことができるのか―――。※公式より転載  「海辺のカフカ」以来の村上春樹原作の舞台化。インバル・ピントの創り出す舞台上のファンタジーが大大大好きなので目の前でどんな世界が広がるのか期待して鑑賞。村上作品はむか〜し実家にあった「ノルウェイの森」をざっと読み、「ねじまき鳥クロニクル」は完走できず途中まで あとは短編作品(タイトル忘れ)を読んだ程度。全然ハルキストじゃないです。しかし彼とインバル・ピントに共通する「ファンタジー(しかも残酷風味)」と「ノスタルジィ」な作風は相性抜群だと信じていました。そして、その通りでした。  時計のねじを巻き、過去と現在の時空を翔ぶ「ねじまき鳥」こと主人公・トオル。現実世界のトオル(渡辺大知)と異世界のトオル(成河)は、実存する肉体と意識なのだろうか。パラレルワールドが複雑に織りなす展開は大好物なので、難解?摩訶不思議?ながら物語にはすんなり入り込めた。  舞台中央の異世界に通じる「古井戸」や丘の上の禍々しい噂が絶えない「屋敷」は怖いもの見たさの血が騒いだ。異世界で回想されるおぞましい暴力行為の描写には背筋が凍る思いがしたが、あれでも原作よりはソフトなのかもしれない……旧満州での間宮中尉の凄惨な記憶とか、ノボルの○イプの描写とか……。全編を通し幻想的で美しい場面が多く、夢の中を漂っているような感覚で観ていた。ダンサーが壁の隙間からぞろぞろと湧くように現れて煙のように消えていったり、かつら工場で働くメイが飛び出す絵画のようだったり(すんごく可愛い)絵的な面白さはインバル・ピントっぽくて面白い。(アミール・クリガー、藤田貴大との共同演出)  (名前が同じだから感情移入したわけではないが) 兄ノボルによってニンフォマニアにされたと思われるクミコは血筋的にその素質があったんじゃないかな。○イプは許しがたいが、女として性的に解放されることは一概に悪とも言えない気もして、ちょっと考えてしまった。終局に向かい暴力とエロスが渦巻くどろどろした世界が浄化されていく様にカタルシスを感じた。勧善懲悪ばんざい。やっぱり最後は愛が勝たなくちゃね。 <Twitterより> 村上春樹原作の舞台はただの難解というのではなく観るこちらの心(というか大袈裟にいうと『魂』)を無垢に、限りなく白か透明にして挑まないとだめだなーと思った。 posted at 17:14:47 にほんブログ村

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