棚卸その後の大きな代償
さて、前回は商品棚卸のお話をしました。ところで、棚卸というのはわからない人もいるかと思いますので簡単に説明します。商品を一つ残らず数えて、合計の数量や金額を調べる作業です。目的といえば、あるべき売上とあるべき在庫の差異をチェックして数字として経営状態の健全度をしらべる方法のひとつと言えるかと思います。そういう意味では、あるべき在庫金額に大きな違いがあるということは、経営上大変な問題であるということです。私の店舗は常時在庫金額はある程度決まっていますが、それが、月間で10万円以上違うという結果だったのです。売上管理を店長代理に任せていた私は、原因を調べました。原因はタバコ自動販売機の入金金額の差異でした。タバコ自動販売機のお金をさわれるのは、私と店長代理しかいませんでした。ということは当然の結果が待っていました。店長代理を問い詰めたところ白状しました。合計約100万円前後の着服でした。もちろん即日解雇です。ただ、私としては本当に信頼していただけにとても残念で、本人から聞いたあとも、しばらく信じられませんでした。というより信じたくなかったといったほうがいいかもしれません。しばらくは人間不信状態に陥りました。でもこの原因を作ったのは誰でもない、自分自身だということは自分が一番わかっていました。こんなに大きな問題になる前に、もっと店長代理とコミュニケーションをとっていれば防げたかもしれません。店長代理に犯罪を起こさせたのは私で、彼が悪くはないのです。そう言う意味では、とても大きな代償をはらった勉強をさせてもらったと思っています。でもこのあとにもっと大きな事件が起きることとなります。