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カテゴリ:日々思うこと・・・
4月中に実母と決別してまもなく、5月1日に愛する友人が亡くなった。 私は10日後にそれを知った。 自殺だった。 ゴールデンウイーク中の道東旅行で、 なぜかふとその友人のことが気になったり、 なぜか崖を見ては胸騒ぎがし、気分が悪くなったのも虫の知らせかもしれない。 なにはともあれ、 事実を知った時の私は まずショックで茫然とし、それから怒りが沸き起こり、んでもって喪失感に泣いた。 それからちょっと自己嫌悪した。 なんだ、結局は自分のことばかり考えて悲しんでいるんじゃないか。と。 人が死んだ時に悲しいと思う感情ほど不謹慎なものはない。 もう会えないこと、同じことに怒ったり、同じことに感動したり、 そういう感情を分かち合える貴重な友達が私の世界からいなくなったこと、 楽しい時間を過ごせないこと、優しい言葉をかけてもらえないこと、 彼の作り出したもの、彼のやっていることに刺激を受けてパワーをもらうこと、 そういうことがもう二度とできない=悲しい という公式は、人の死にすら自己憐憫を感じている。 すなわち筋金入りのエゴイストではないか?! 彼はひたすら苦しみ、悩み、ボロボロになって死を選択した。 良かったねと言ってあげるべきなのではないか。 私に何故相談してくれなかったのか・・・なんて綺麗事は言いたくない。 仮にそういう分かち合えない苦しみや悩みに悶々とした人間に頼られたところで、 きっと、うざいと思って距離を置いただろう。 いつものように物理的に側にいたり、家にかくまってあげたとしても、 精神的に支えになるほどの献身的な優しさを与えられなかったろう、私は。 それに、根本的に相談するとか分かち合えば何とかなるという問題ではないのだ。 彼の中の繊細過ぎる魂は。おおよそ凡人には理解不能な複雑さ。 彼はもう慢性的に、こういう社会にも生きることにもうんざりし、 はっきり言っていつ死んだっておかしくなかった。 「じゃ、また明日ね♪」と言ったが矢先、 あっという間にビルの屋上から飛び降りてしまうような危なっかしさがあった。 それもとても軽く。愉快に。爽快に。 つまりは、あまり生に執着していなかった。 いつだって死ねる今この瞬間に。というフットワークの良さ。 嗚呼友よ・・・摩周湖の水のように濁りなくどこまでも透明な友よ・・・。 さよならも言わずに逝っちゃうだなんて酷いじゃないか。さびしいじゃあないか。 そもそもあなたは実在していたのだろうか? 闇に舞う蝶のように、ふわりふわりと宙を舞い降りてきては、 キラキラ輝く優しさを金粉のようにあたりに振りまき、 触れ合う人の心を温かくしたと思ったら、次の瞬間もう消えている。 次にいつ現れるかも分からない。 何も知らない少年のようにひたすら正義を信じ、 絶対に嘘をつけず、作り笑いができず、ゆえに要領よく生きられず、 スマートに折り合いをつけられず、バランス感覚も狂いまくりで、 そのあまりもの純粋さを、私達はずいぶん笑いからかったけれど、 本当は羨ましかったんだ。その生きざまが格好良くて・・・。そして好きだった。 誰も立ち止まらない、目をとめない、 スポットライトの当たらない日蔭の弱い命を決して見逃さず、 それを守るために、人生をかけていた。 いつも静かに打ちひしがれた強さを持つものの味方だった。 そこに美しさを見出し、価値を与え、こよなく愛し、命をかけて守ろうとした。 物欲も名誉欲もなく、だからこそ何も持たず、どこにも属さず、 孤独を愛しながらもさびしがり屋で、ナルシストでありながらも隣人を愛し、 そこに困っている人がいたら、自分の持っているものを全て分け与え、 そこに悩んでいる人がいたら、自分の時間を全て注いだ。 なぜ、一体なぜ私達はあなたのように生きられなかったのだろうか。 ご冥福を。 死後の世界も、天国も地獄も信じていないけど。 何か強いスピリットは信じている。精神的な。伝わってくる。 別れや人の死に対して少し強くなった私は、悲しまない。 悲しむ代わりに感謝しよう。 故人が私に残してくれた思い出に。 ありがとう。 一生懸命で、純粋で、楽しかった。 http://www.youtube.com/watch?v=VvB-A9EsgYg http://www.youtube.com/watch?v=FK0sufcRnSc http://olove.seesaa.net/ ********** 聖書の言葉 もし自分に子どもがいなくても、 徳を持っていればよい。 徳こそ不滅のものだからだ。 神も人も徳を喜ぶ。 そこに徳を見出すと、 人は真似ようとする。 徳が欠けていれば、それを 欲しがる。だから、悪い人に どれだけ多くの子孫がいても 何にもならない。 徳がないからだ。 生きた年の数で 人を計ってはならない。 正しかったか、徳があったか、 愛があったか、が喜ばれる。 そういう人の霊魂が 神に喜ばれる。 知恵の書 第4章 フェデリコ・バルバロ訳『聖書』に準拠(白取春彦氏) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
May 19, 2013 03:23:57 PM
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