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テーマ:今日のこと★☆(110086)
カテゴリ:科学技術
2025年のノーベル生理学・医学賞は、大阪大学特任教授の坂口志文(さかぐち しもん)氏ら他2名に授与されることが発表されました。 ![]() 坂口 志文 氏(さかぐち しもん):大阪大学免疫学フロンティア研究センター特任教授 メアリー・E・ブランコウ 氏 (Mary E. Brunkow):米システム生物学研究所 フレッド・ラムズデル 氏 (Fred Ramsdell):米ソノマ・バイオセラピューティクス社 【授賞理由】 「制御性T細胞(Treg細胞)」の発見と、それによる「末梢免疫寛容(まっしょうめんえきかんよう)に関する発見」が評価されました。 【制御性T細胞(Treg細胞)について】 免疫システムにおいて、免疫の過剰な働き(暴走)にブレーキをかける役割を持つ細胞です。 この細胞の発見により、免疫系が自分の体を攻撃してしまう自己免疫疾患(関節リウマチなど)やアレルギー、がん治療、臓器移植など、幅広い分野での新しい治療法開発への道が開かれました。 【抹消免疫寛容について】 「免疫寛容」とは、自分の体を異物として攻撃しないようにする、免疫システムのブレーキ機構のことです。 もしこのブレーキがなければ、免疫細胞は健康な細胞や組織を攻撃し始め、自己免疫疾患(関節リウマチ、I型糖尿病、多発性硬化症など)を引き起こしてしまいます。 この免疫寛容には、大きく分けて二つの種類があります。 中枢免疫寛容: 免疫細胞が胸腺(きょうせん)という器官で成熟する初期段階で、自分の組織を攻撃する恐れのある細胞を排除する仕組み。 末梢免疫寛容: 中枢でのチェックをすり抜け、体全体(末梢)に出てしまった免疫細胞が、実際に攻撃を始める前に防ぐための最後の防御システム。このシステムを担う細胞が「制御性T細胞(Treg細胞)」です。 発表は2025年10月6日(日本時間)に行われました。坂口氏の発見は「免疫学最後の大発見」とも評されています。 授賞式は例年通り、12月10日(アルフレッド・ノーベルの命日)にスウェーデンのストックホルムで行われる予定です。 これで日本人受賞者は6人となりました。誇らしいです。 ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2025.10.07 18:17:48
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