検査入院する前の話です。
１週間ほどまえですが、アシュラフが、突如、スーパーバイザーに
任命されました。運転手が、７～８名いるのですが、その管理者に
選任されたのです。
アドミ部長が任命しました。僕には相談はなく、電話で知らされました。
毎日、５回、規定の時間に、各運転手がいるか、確認して所定用紙に
サインをさせると言う職務であります。
これだと、アシュラフ本人も、職場を離れることが出来ません。
バイトをしていたのかどうか、分かりませんが、仮にバイトに行きたくても、
これでは、実質的に行けません。
任命された、その当日、アシュラフは、喜んでいたようであります。
しかしながら、その２日後、怖い顔して、言い出しました。
「ミスターアラブの星一番！ あなたは、ほんとに、わしがバイトをして
いたと思っているのか！」 と、言い出したのであります。
「ん？ 俺は、そんな事を、言った覚えはないぞ！」、と答えると、
「今日、オイル交換に街へ行こうと思ったら、○○○から、お前は
行かないで良い、他の運転手に行かせるから、と言われた。」
よくよく聞いて見ると、同僚の親分格の運転手から、そのように
言われたらしく、自分で運転している車のオイル交換を、他の
運転手に行かせることに、相当怒っている模様。
さらに話を聞いていると、スーパーバイザー何て、体のいい事言って、
俺を工場から出さないようにしたのじゃーないか！ と本当の理由を
知ってしまっているのです。
運転手同士、時間は無限に近いほどあるから、情報交換は容易です。
そして、さらに、「こんなむごい規則で拘束されるなら、ここで働くのも
意味はない。嫌なら辞めさせれば良いじゃーないか！ サウジで１２年間、
運転手として生きてきた。他でも何とか仕事は見つけられるし、家族に
仕送りをする事も可能だ。」、と言うのであります。
で、僕としては、そう簡単に、事実を明かす訳にも行かないので、
「それは知らなかった、本当だとすれば遺憾だ。しかしな、アシュラフ、
仮に理由がどうあれ、一度、決めた規則を、そう簡単に変えることは、
しないぞ、それが会社と言うものだ。バイトした事がないなら、時間も
あるのだし、今の決められた職務を行ってくれ、ある程度、期間が
経ったら、機会を見て、変更するなり、相談して見るから。」
とその場を、取り繕ったのであります。
あの言い方の勢いから判断すれば、本当にバイトはしてないのかも
知れない、と思いました。
しかしながら、仕事をで付き合いのある連中も、平気で嘘つくし、言い訳
ばっかりするので、人の言う事を簡単に信用してはならん、と言う学習が
出来ております。
実際に、本当のことを知ろうと思えば、何人もの人に聞き、自分で現場を
見たり、資料を見ない限り、信用出来ないのが、ここサウジなのです。
会議が、時間通りに始まるなんて、ほとんどありませんし、決められた
時間に行っても、中止や延期になるのが、半分位あるのです。
（信じられないでしょうが・・・。）
アシュラフには、
「と言う事は、君は、怪しまれているのだな。桃畑で帽子に手を触れるな、
と言うことわざ、インドにないか？」
知らないと言うし、桃と言う英語を知らないから、リンゴに変えて再説明し、
当分の間、工場を出ることなく、信頼を回復出来るまで、腹も立つだろうが、
我慢して、やってくれ、と言ったのであります。
アシュラフも、
「親分も、アドミ部長も、わしゃー好きなんだ。そこは分かって欲しい。」
などと、気の利いたことを、言っておりましたです。
バイト騒動の前までは、実害もなく、ありがとうとか、スイマセンとかは
言いませんが、それなりに良い関係でやって来ましたが、ここの所、
ギスギスしています。
まぁ、そう言った経緯の中、様子を見ております。
結構、疲れますねー。
