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日本が後押ししてきたミャンマーの民主化が・・・
5月2日のミャンマーのサイクロン被害は日を追うごとに深刻であることが分かってきた。 8日現在の死者は報道によると約2万5千名(人口5300万人)、行方不明者4万名、最終的な死者は5~6万名という大惨事になる可能性が高い。 これは、関東大震災時の日本の被害にほぼ相当する大国難であると言っていい。 ミャンマーはもともと国軍が政権を握る社会主義国家であったが、農業主体の貧国で(発展途上国認定すらされている)、軍事政権の政策のずさんさから国家財政は逼迫。 人民はそれでなくとも極貧の生活に耐えていた。 経済状況はアメリカとEUという2大勢力が民主化が遅れるミャンマーを見放したため(ともに経済制裁を発動中)、日本がミャンマー民主化のリーダーシップをとり、アウン・サン・スー・チー氏を支持する民主化と援助の2本柱で90年代後半からねばり強く現政権と交渉を続けてきた。 ここにきて、積年の日本の努力がようやく報われ、現政権が新憲法案の是非を問う国民投票を5月10日に実施すると発表した矢先の被害だ。 日本が応援してきた国の被災者の方々にお見舞いの気持ちを送りたいところだ。 ネットバンクの雄 独り立つ 270万の口座数を誇る、国内最大のネット専用銀行であるイーバンク銀行は(いつものことであるが)このような義援金活動に一切手数料を取らない。 なにより、ネット決済なので、口座さえ持っていれば募金箱に100円玉を入れるぐらい簡単に義援金を送ることが出来る。 イーバンク銀行のこういった姿勢を正当に評価したい。 もちろん、ネット銀行はメガバンクに比べて人件費が格段に安いのも確かだ。 しかし、イーバンク銀行と同等のネット決済機能を持っているメガバンクは、こんな時ですら手数料(儲け)を取ろうとする。 「メガバンク」と呼ばれ、日本の経済の趨勢を握っている大事な立場にいるのに、いまだに護送船団方式時代の殿様商売感覚でいる。 だから、7兆円近くの公的資金を注入してもらっても、金利を優遇してもらっても、中小企業への貸し出しをしぶり、代わりに国債や為替を買ってばかりいる。 メガバンクは国民(税金)からもらった公的資金で潤ったのに、国民と公益を一切省みない。 客どころか、持ち主への見返り(株主優待など)すらない(UFJのみ) メガバンクに限らず、銀行はどこでも公益に寄与する(そして自らも儲ける)というお題目を掲げているが、実際にそういった具体的行動を示すことがない。 イーバンク銀行の義援金手数料無料は、確かに会社のイメージアップ戦略もあろう、口座数や預金を増やすことにもなろう。 しかし、公益・国益に寄与して、かつ自らも成長する企業にこそ、我々は投資する~口座を作り、金を預け、あるいは株を買う~価値があるのではないだろうか? もちろん一時の義理人情のためではない、自分のために、日本のため、すべてはメリットのためだ。 どの銀行でも、一顧客としてシステムもサービスも金利も大差ないのなら、そういう銀行を応援し、「メガバンク」に育てたいものだ。 今回の義援金はイーバンク銀行からユニセフを通じてミャンマーに送られるという。 自分もささやかながらミャンマーへお見舞いを送った。ログインから決済まで30秒足らずだった。 "話題の"中国とミャンマー軍事政権、そして「チベット」 中国はミャンマーへの軍事輸出大国である。 ミャンマー軍事政権の権威は中国によって支えられているといえる。 中国としてはミャンマーを実質的な影響下に置き、インド洋に覇権を広げる構想だ。 もちろん、ミャンマー軍事政権により国民の人権が著しく制限される結果など「人権蹂躙大国」の頭にはない。 ミャンマーでも親国同様、度重なるデモと血なまぐさい軍事制圧が繰り返されているのだ。 (記憶に新しい昨年9/27の報道カメラマン・長井さん銃殺事件も民主化を求めるデモの最中だった) 逆にスー・チー女史らが民主政権を作ると、中国拒絶・社会主義離れ→親日・民主主義転向が明確になり、中国としては(儲けてばかりで大した投資もしていないのだが)非常に困ったことになる。 民主化がいっこうに進まないミャンマー軍事政権(5300万人の人口で40万人が軍人という徹底した徴兵ぶり)に業を煮やし、EUと米国が経済制裁を発動し、日本も援助の一部を凍結したとき、中国だけが「ミャンマー国民のため」と、いったいどの口から言えたのか?とにかく反対した。 実際には、経済支援が行われていた時も、民衆は貧しかった。 ミャンマー国民は15円のワクチンも受けられず死に、ただただ農業で日々食いつないでいるだけだった。 お金は軍事政権に流入し、武器の売買を通じて中国に入っていた。 EUや米国がミャンマー国民の上を素通りして、軍事政権を支える武器に変わり、ついには中国共産党に流れ込むドルやユーロを凍結したのは、国際常識から言えば正当な行為だった。 先進国・大国・・・G8の中で、ほとんど日本だけがミャンマーの孤立を防ぐという立場から経済的・技術的支援を継続し、民主化を推進した。 日本はミャンマー連邦にこれまで250億円(年間10~15億円)の無償資金協力を行っている。 技術協力(JICA、年間約15億円)、日本ユニセフなどからの募金を合わせると、実質的な援助は400億円にのぼるといわれる。 一方、中国は武器をミャンマー軍事政府に売りつけるだけで、援助はわずかに40億円。 ミャンマーには東南アジア随一といわれる鉱物資源(金・スズ・銅・宝石など)がある。 また、森林資源、石炭・バイオマスなどエネルギー資源も豊富だ。 ミャンマーのヒスイとスタールビー ミャンマーの宝石はいずれも世界最高品質 ただ、大衆はいまだに米しか作れない貧しい生活を続けている。 軍事政権の圧迫で、そのような資源がほとんど開発されないのだ。 日本による世界最高の鉱業技術支援にもかかわらず、大衆に金持ちになられては困るという理由だけで、まだ数%しか金脈は掘られていない。 7億トンが埋まっている石炭に至っては、わずか0.3%しか発掘されていない。 そんな軍事政権を支持する中国が、軍事政権の後見人という立場を利用して、豊かなミャンマー資源をかすめ取ろうとしている。 資源だけではない。ミャンマー国民の自由と主権をも搾取しようとしている。 ヤクザに武器を渡す人と、貧者にパンとペンを渡す人。 一時の勢いはないとはいえ、日本人には、まだまだマネーとモラル、そして義理人情がある。 かつてのビルマ・・・ミャンマーの真の友人にふさわしいのは中国と日本どちらか? 日本政府は世界にアピールしなくてはならない。 アウン・サン・スーチー女史 英国植民地ビルマ時代、独立運動を主導した「建国の父」アウン・サン将軍の長女として生まれる 第二次世界大戦中、アウン・サン将軍は日本軍と手を組みビルマ独立の実力を付けた。 日本軍は、もちろん戦略上の意味でビルマ民族と手を組み、独立も支援したのだが、ビルマ民族の利益であったのは変わりはなく、最終的にビルマ軍と日本軍は対峙することになったが、日本人とビルマ人の関係は概ね良好であった。 いまでもビルマ(ミャンマー)国民の日本への感情は、非常に好意的であることを意外に日本人側が知らない。 (皮肉なことに、今の軍事政権の母体は、日本軍の訓練を受けたかつてのビルマ軍である。 日本がミャンマーの民主化を支援する背景には、現在の禍根の種をまいた責任を取るという意味がある) スーチー氏は、インド・デリー大、英・オックスフォード大、日本・京都大学などで学ぶ。 民主化運動への貢献が評価され、1991年ノーベル平和賞を受賞。 国民の支持も絶大で、軍事政権による軟禁状態にも関わらず投票では圧勝。 夫はチベット研究家の英国人。スーチー氏ともに夫婦でチベット解放論者 親日、チベット これも中国がスーチー政権を拒絶する一因である お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008/05/07 11:41:14 PM
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