昨日、私の住むNSW州の教育省(The Departmen of Education and Training)が州内の全ての公立学校に毎年 新たに定められたフォーマットの報告書を提出するよう求めると発表しました。
その新しい報告書には親として無視できない項目が沢山あるようです。
例えば学校全体としての在校生の学習レベルや到達度を示す項目が目を引きますが、それ以外にも、どのような資格を持つ先生がいるのか、また出勤状況などの項目もあるようです。
っま、言ってみれば学校の成績表みたいなもので、全州の2232校のランキングが作れる様になるだろうと新聞には書いてあります。
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これに早速、教員組合(Teachers Federation)が噛み付きました。
『教育に全く役立たない単なる順位表だ!』
『他の分野で従業員の出勤状況を公表する職業なんか無い!』
『プライバシーの侵害だ!』
実際報告書では個人を特定しての資格や出勤状況は載らないようですが、小さな学校だとどうしても先生の特定が出来てしまうそうで、そんな学校が500校位あるそうです。
教育省の決定に抗議してこの金曜日には午前中2時間ストをやるそうです。
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因みにこれはあくまで公立学校だけで私立は対象になりません。こちらでは殆どの場合、お金のある人は子供を私立に行かせます。私立の方が学習環境や教育のレベルは公立よりも上だというのがこちらでの定説です。
しかし私達には子供達を私立に行かせる余裕が無いので公立で学ばせるしか選択肢がありません。そんな私達が学校を選ぶ上での判断材料は今まで口コミくらいしかありませんでした。。
この報告書が前評判通りなら、これまでよりもより正確な評価が出来そうです。勿論この報告書に載っている内容だけで安直に良い学校、悪い学校と決められる訳ではありませんが、判断材料が増えると言うことだけでも親としては大歓迎です。
正直、私が子供の頃は勉強なんか大っ嫌いだったのに、いざ親と言う立場になると彼らに少しでも勉強して欲しいと願う様になているのが、我ながらちょっと笑ってしまいますが。
でも学力だけではなく学校全体での教育への取り組み方もこの報告書では見る事が出来るようです。自分の子供が受けている教育を総合的に評価できれば思います。
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実際の取り組みは、50校を選抜して来年から試験スタート。2007年より全州で始まるようです。
暫らく事の成り行きに注目していきたいと思います。
参考サイト:
NSW Public Schools Home Page
NSW州公立学校のホームページ
Sydney Morning Herald: Order to all state schools: tell it like it is
シドニー・モーニング・ヘラルド新聞
The Australian: Parents to be told school rankings [June 29, 2005]
ザ・オーストラリアン新聞
The Daily Telegraph: Parents to learn school secrets
ザ・デイリー・テレグラフ新聞
でも正直、自分の職場がこんなレポート出したら嫌だな~...
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