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Lotus paradise

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2005年03月11日
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ドナ・マルハーン
母への手紙 その2??捜索
2005年2月25日

 お友達の皆さん、これは「聖地より母への手紙」シリーズの2本目です。お送りするのが遅くなってごめんなさい。当地では何事にもとても忙しくて、しばしば圧倒的な忙しさなのです。この手紙は、私の「国境」体験談の続きですので、よく理解してもらうためには最初の手紙を読んでいただいたほうがいいと思います。2005年2月18日「巡礼者ドナの手紙 エルサレムより」)にあります。書き送らなければならないことがまだたくさんあります(例:先日の催涙弾の初体験! 和平プロセス、アパルトヘイトの壁(隔離壁)、土地の収用、入植者の暴力、家屋の破壊、などなど)。願わ
くば、近いうちにこれらの話をお伝えできればと思っています。2ヶ月間それもできなかった今、私は行動を共にしているISM(国際連帯運動)というグループの広報担当室で働いています。それで膨大な量の広報文を書かなければならず、個人的な話をそんなには書けないのです! 近いうちにもっと時間が取れるようにと願っています。少なくともあと1ヶ月、復活祭まではここにとどまるつもりです。
皆さんの巡礼者 ドナより
[訳注:ISM International Solidarity Movement 国際連帯運動 http://www.palsolidarity.org/ (英語)パレスチナの自由とイスラエルの占領終焉を目標に、パレスチナ人と国際活動家が非暴力運動を展開しているグループ。ドナはサイダ村ではISMの面々と共に行動していた。]

親愛なるお母さんへ

 入国審査窓口でイスラエル兵が、場内を彼の後についてくるよう手招きしたところまでお話しました。彼は私に背を向け足早に歩いて行って、私が追いつくのを待つこともなく、私はあわてて彼の後を数歩おくれて追いかけたのです。

 彼に連れ戻されたところは、「ドクター・フーのターディス『巨大ヘアーブローとスプレーマシン』」があった元の場所で、そこのドアは私が最初にこの入国審査のビルに入った入口でした。心臓が高鳴り始めました。「まあ、まさか、信じられないわ」と思いました。「私にしゃべる機会も与えないで、国外に放り出すつもりなの?」

 その兵士は、なお私と目を合わせることもなく、ベンチを指差しそこに座るようにと唸り声をあげました。それから歩いて行ってしまいました。

 これが、私が完全に完璧に混乱してしまった最初の例です。つづく6時間の間に、さらに100回もこんな目にあいました。

 ベンチにはもう一人身なりのいい柔和な顔つきのアラブ人が、悲しげな目をして座っていました。パレスチナ人のようでしたが、疲れ切っている様子でした。

「どうして、私たちはここに?」と、彼に尋ねてみました。「私たちを追放するつもりでしょうか?」

「分かりません」と、彼は答えました。「彼らは私の質問にまったく返事をしません、だからもう聞くのはやめました」

 私は深いため息をつきました。これは大変なことになるのだと気づきました。分かるでしょう、お母さん、私は聞きたいことは訊ねる人間です。お母さんもご存知のように、私は、何の説明もなく牛のようにあっちからこっちへと群れをなして動かされるのを喜ぶような人間ではありません。だれであれ人から押し付けられたばかげたことを受け入れてはいけないことを、私に教えてくれたのはお母さんだったと思います。でも実際に、そんなことを喜ぶ人を世界中で見たこともありません、特にオーストラリア人ではね、オーストラリアの人は概して愛想がよくて親切です??どんな状況でもね。

 私が自分の運命がどうなるかも分からず長い間ベンチに座っていると、突然若い女性兵士が表れて「私についてきなさい」と、言いました。

 彼女についていくと、そこは小さな更衣室のようなところでした。彼女は背にしたカーテンを閉じると、ゴム手袋をはめ始めたのです。

「まあ、なんてこと、私のボディーチェックをするつもりなの?」と、私は思いました。

 彼女が手袋をはめている間、私はなぜここに連れてこられ彼女は何をしようとしているのか、説明されるのを待っていました。私が育ったところでは、これはいたって一般的なことでしょう。

「靴とコートを脱いで、足を広げなさい」と、彼女が言いました。

「私の体を調べるのですか?」と、訊ねました。

「そうよ、もっと足を広げなさい」と、なんの説明もなく言い返すだけです。

 私は舌を傷つくほど噛み、言いたいことを我慢しました??「冷静に、冷静に、冷静に」

 私の目の前で入国審査窓口を通過する人をおそらく百人は見たけど、私が身体捜索を受ける最初の人間だなあと私が考えているうちに、彼女が黒い大きなクリケットのバットのような棒で私の体を探り始めたのです。でも幸いにも私はまだ服を着ていたのです。

 お母さん、「特別」処遇としてひとり選り抜かれるのは、決していい気分ではありません。知らない誰かに体を触られるのは、気分のいいものではありません。それは、まったく不愉快なものです。

 その棒からビーと音が聞こえると、彼女はそれを押し当てて調べました。ある時には、私のシャツをめくったのです。

「これを脱ぐ必要がありますか?」と、そんなことを承知する気もなく訊ねました。裸のボディチェックは拒否しようと、私はすでに決心していたのです。私は人権弁護士などではありませんが、これを拒否する権利があることは知っています。

 幸いにも彼女はその必要はないと答えながらも、必要だと思ったときには他の着物もめくり続けました。

 金属探知機を使い終えると、今度は手でさぐり始めました。私の体のあらゆる部分をつつきまわしたのです。

 向こうを向けと言われ、壁に両手を突いて彼女に背を向けた時でした、私の目に少しばかりの熱い屈辱の涙が滲み出したことに気づきました。私は涙がこぼれ落ちないようにと、必死に目を閉じたり細めたりしたのです。

 彼女が私をつつきまわすのを終えたとき、私は心の中で長くて深いため息をつきました。完了した彼女は、突然更衣室から歩いて出て行ったしまいました。

 私はしばらくそこに突っ立っていました、靴もジャケットもなしで震えながら、反抗していると解釈されそうななにかまずいことをしてしまわないかと思うと、怖くて動けませんでした。

 ほぼ10分間も待ったあと、とうとう寒さが身にしみてきました。靴とコートを身に着けざるを得ませんでした。目の前のカーテンを見つめながらそのままそこにいました、まるでデイビッド・ジョーンズの試着室に閉じ込められたかのように!
[訳注:デイビッド・ジョーンズ シドニーにあるデパート名]

 何分か時間が過ぎるにつれ、我慢できなくなり始めました。冷静でいようと思っていましたが、それももう充分でした。なにが起こっているのかと、私はカーテンの隙間から頭を出して覗いてみました。まだベンチで待ち続けているパレスチナ人男性以外だれもそこにはいませんでした。

 もう反抗でも何でもかまわなくなって、私は更衣室から出てその男性と並んでベンチに座りました。そして「次はあなたの番だと思うけど?」と、ささやきました。

 彼は、暗い顔でうなづきました。

 それからベンチで20分から30分ほど待っていると、私は本当にじっとしていられなくなりました。

 気がつくと、私をここまで連れてきたあの兵士が、通路の向こうで仲間たちとおしゃべりをしていたのです。私は手を振って彼の注意を引こうとしました。立ち上がって手を振り、数歩彼の方に歩みだして手を振り、飛んだり跳ねたりしながら手を振りって、さんざんやり終えてから、とうとう私は彼の方に歩いて行ってこう呼びかけました。「すみませんが、私のことは今どうなっているのでしょうか?」

 目を上げた彼は、険悪な目で私のほうをにらみつけ、その威力にほとんど殴り倒されそうなほどでした。

「俺の仕事のやり方に、口を出そうってのか?」と、彼は叫び返しました。

 私は一呼吸おきました??思うにこの時点で彼が尋ねるにはまったく奇妙な質問に、少し、ほんの少し途惑って。

「とんでもありません、あなたがあなたの仕事をなさるのは大変喜ばしいことです、ですから私は次に何をすればいいのかおっしゃって下さるとありがたいのですが」と、答えました。

 再び私をにらみつけた彼は、どこかへ立ち去ろうとしました。

「ねぇ待って、どうするんですか……」と、彼の後ろから叫びました。彼は振り返って私をにらみつけ、また手で「ついて来い」と指示したのです。

 別の部屋に私を連れて行った彼は、私に座れと言いました。やっぱり、なぜここに連れてこられたのか、これから何が始まるのか、何の説明もありませんでしたが、説明という概念はここの運営方針に含まれていないのは、私にはもう分かっていました。

 部屋の中には、いくつかのベンチやベルトコンベヤーやたくさんの機械がありました。手荷物が運ばれてきたり運び出されたりしていました。ここは特別のX線検査をするところなのだと思いました。

 私が長らくそこに座っている間、雑多な男女の兵士たちが、私の前を行ったり来たりしていましたが、まったく私を無視したままでした。読む本もなくすることもなく時間がゆっくりと過ぎていきました。

 ついに最初の兵士がやってきて、「ついて来い」とがなり上げ、またくるっと向きを変え歩き始めたのです。

 お母さん、この時点までには、彼のヤクザみたいな態度にはうんざりでした。お分かりのように、これは私を相手にするにはまったくまずいやり方です。私は声を潜めてののしり始めましたが、だれも気にかける様子はありません、そこで大きな声で独り言を言い始めました。

「一体、どうなってんの?」と、両手を大きく振りながら叫んだのです。

 だれも何も答えません。兵士は、前方からちょっと振り返ると、私に向かって声をあげて笑いました。

 彼は私を手荷物の山のところに連れて行き、ただそれを指差すだけで、がなり声さえ上げませんでした。

「分かりました」と、私は言いました。「わたしになにかさせたいのだったら、なにをどうしろって、あなたはちゃんと私に言わなきゃなりません。そんなことは言えるんじゃありませんか」と、私は彼に訴えたのです。

「行ってあんたの荷物を見つけて来なさい」と、ぞんざいな返事でした。

 私は荷物を見つけて、それを引きずってさっきの検知室に行き、座って半時間かそこら待たされることになったのです。時間がたつにつれ、私は気をもみ始めました。深く息を吸い、冷静にと自分に言い聞かせました。

 ついに女性兵士がやってきて言いました。「荷物をここに広げて、ポケットの中身を全部出して、ハンドバッグをよこしなさい」

「私のハンドバッグをどうしようというのですか?」と、聞きました。

 今回あえてそう訊ねる私は、部屋中からたくさんの視線に囲まれることになりました。

「もう2回も調べたでしょう、どうしてもう一度やる必要があるのですか?」と、続けました。

「問題おこしたいのかね?」と、18歳そこそこの男の兵士が訊ねました。

 息を吸って。

「いいえ、ただ私の質問に答えていただきたいだけです」

「もう一度、あんたの荷物を調べるんだ、こっちによこすんだ」

 ハンドバッグには、私がこの世で持つすべての貴重品が入っていて、それを私の見えないところへ持っていかれることにためらいを感じていたのです。

「こいつをあんたに返したときに、全部チェックできるぜ。俺を信用できないっての?」と、あざけるように顔をニヤつかせてその兵士が言いました。

 私はその皮肉さに大声で笑ってしまいました。信用?

 信用ですって? 私は少しのあいだ笑いが止まりませんでした。私のプライバシーを侵害し、体を検査し、3度もバッグを調べる人間が、信用なんて言うのかと思ったらあまりにもおかしくて、私は即座にバッグを手渡してしまいました。

「持っていきなさい」と、私はまだ一人で笑いながら言いました。

つづく





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最終更新日  2005年03月12日 03時15分54秒
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