神の名においてーサラヤ・アル・ムジャヒディーンの兄弟たちへ
=============================== 以下は、高遠菜穂子さんの友人である細井明美さんの、イラクの友人が、アルジャジーラ、アルアラビアを通して、高遠さんたちを拘束しているレジスタンスに向けて届くよう送った手紙です。また、ファルージャ、ラマディ近辺に10,000枚配られたそうです(原文はアラビア語)。呼びかけ人は、高遠さんと一緒にストリートチルドレンのために働いていた人だそうです。 (池田真里) =============================== 神の名において サラヤ・アル・ムジャヒディーンの兄弟たちへ 神が、わたしたちの国のためのよき計らいを祝福してくださいますように。神が、わたしたちの祈りをお聞きとどけくださって、この国から悲しみが取り除かれますように。 この手紙が、あなたがたのもとに届きますように。神は、この手紙が真実のものであると知っておられます。この手紙があなたがたのもとに届き、あなたがたが読むことは、神の思し召しでもあります。あなたがたの捕らわれ人となっている日本の女性、菜穂子さんについて、神はあなたがたの知らないことを知ってほしいと望んでおられるからです。わたしたちは、アルジャジーラの放送で、彼女が捕らえられている3人のうちの一人であることを知りました。 わたしたちは、菜穂子さんとほかの二人の日本人を、あなたがたが大切に遇してくださっていると信じています。わたしたちの信ずる神がそれを命じておられるからです。それは、わたしたちが偉大な先師たちから学んできたことでもあります。 この手紙は、あなたがたの行いまた企図を裁こうとして書かれたものではありません。そしてまた、わたしたちは、日本の軍隊(それが正規の軍隊であろうと、日本政府がいうように復興支援の防衛軍であろうと)の入国を支持するからこの手紙を書いているのでもありません。 この手紙と添えられた写真は、ただひとつの願いから書かれたものです。菜穂子さんは、(もしあなたがたが人質を必要としているとして)、けっして人質とされてはならない人だということを知ってほしいのです。 この日本女性は、一個の人間として自ら強く望んで2003年5月からバグダッドに来ています。その日から、イラクのホームレスのこどもたちの手に食物を、衣服を、医薬品を届け、長い間働いて貯めたお金をそのためにすっかり使いきってしまうのです。この前、日本に帰ったとき、菜穂子さんは、1カ月半ほど働いてお金を貯めて戻り、イラクのホームレスのこどもたちのために使おうと計画しました。だが、活動はとても困難で、日本のお母さんといって菜穂子さんの帰りを待つこどもたちのために必要な品々を買うお金を十分貯めることができませんでした。あなたがたが、菜穂子さんを捕らえたちょうどその日、バグダッドでは、多くの人々が彼女を待っていたのです。 サラヤ・アル・ムジャヒディーンの兄弟たち、わたしたち自身とイラクの孤児たちのために、3人の日本人の人質たちを解放してほしいという願いを聞きいれてください。中でも、菜穂子さんは、自分はひと切れのパンで満足し、わたしたちのこどものためにはたっぷりとパンを求めてくるような人です。彼女は、イラク国民への深い思いやりをいかに示すか、日本人にとってのよいお手本となっています。 神が望まれ、あなたがたが3人の日本人を解放するなら、あなたがたは、日本人に対し、あなたがたとわたしたちがともに望むことをなす、善きチャンスを与えることになります。日本の人々は、いつもわたしたちに味方しわたしたちの主張を支持していました。信仰と国を同じくするわたしたちの兄弟たちの多くがただ見ていただけのときにも。なすべきは神のために。アル・サラム・アライクム ストリートチルドレン・イラク人活動家グループ 2004年4月9日