縦線と横線
影夫:陰陽論の中で縦線と横線って話があったけど・・・。光一:俺は以前「算命学」を少しかじったときに習ったものなんだけど。影夫:算命学って「占い」でしょ?光一:占いもあるんだけど、中核となるのが「陰陽五行」という物差しで世の中を理解、判断、予測していくもので、哲学的なもの、医学的なもの、いろんな分野をひっくるめて算命学って言うんだ。そして「南北にのびる縦線」と「東西にのびる横線」で十字を描き、東、西、南、北、中央の五行で物事を判断していくことが多い。影夫:細木数子なんかとは違うの?光一:「大殺界」の理論は、東西、南北、の他に中央と天上のラインを加えた、算命学でいう「天中殺」の理論と同じで、人間には6分の1どこか欠けた部分が存在するという考え方なんだ。影夫:俺なんか欠けたとこだらけだけど。光一:東が仕事、西が家庭、中央が現実、天上が精神、南が目下、北が目上、で生まれた日によって欠けた部分が違ってくる。そして、東(仕事)が欠けてる人は西の家庭に向かい、西(家庭)の欠けているひとは、東(仕事)に向かう、というふうに一つのラインの反対方向に向かうという性質を持っている。影夫:木星人とか火星人・・・ていうのは?光一:東は木性、南は火性、北は水性、西は金性、中央は土性にあたる。つまり、仕事が不自然になりやすい東の欠けている人間を木星人、家庭が不自然になりやすく仕事に向かう西の欠けた人間を金星人っていうんだ。影夫:じゃあ、木星人は、木性欠け人間、火星人は火性欠け人間ってわけだ。光一:縦線の「目上」「目下」ってのがあるだろ。影夫:目上が北で、目下が南のラインか・・・。光一:目上が親(父親)、で目下が子供、とか子孫だとすると、縦のラインというのは、先祖から子孫へとつながる家系のラインであり、横線というのは家庭と仕事を往復し、現実社会を生きるためのラインと言える。影夫:文字を縦書きにする日本人は「縦線」で物事を考え、横書きの西洋人は横線で物事を考えるっていうのは、ここからきているんだ。光一:昔の日本人は「親孝行」という幻想の中で生きてきたけど、今の日本人は「文明」という西洋人の幻想の中で生きている様な気がする。影夫:戦争に負けてから教育の現場で横書きに変えさせられたもんね。だから現代人は「カネ、カネ」と現実的なことしか言わなくなったんだ。