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2004.08.04
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カテゴリ:歴史書



快楽主義の哲学

渋沢竜彦/著 文芸春秋 1996年02月 460円



【キーワード】 快楽 性感帯 死 一匹狼 誤解

 人生に目的などなく、博愛主義・禁欲主義などは嘘っぱちでけち臭くみみっちい。そんな痛快なテーマの下で、ソクラテス・孔子・一遍上人・宮沢賢治・二宮金次郎・太宰治、内村鑑三などの主義・行動を思うさま批判している。40年位前の本なのに生き生きとしている。自己啓発本の一つに並べなれてもおかしくないが?



・幸福は継続的なものでぼんやりとしたもの、快楽は瞬間的なもので形のあるもの。瞬間瞬間の快楽を追い求める

・自分の本質を求めようと努力することはおろかだ。それだけ自分の限界を制限してしまう。時間の無駄

・退屈な社会・生活を完全に打破するには革命家になるか隠遁者になるしかない

・まず完全なオルガスムを獲得することからはじめるべき。

・宗教ではなくて、人間の死に対する意識を根底的に変革することができるような、新しい魂の科学は発見されないものでしょうか→中世錬金術、ヨガ、ニーチェ、ランボーの思想など・・・

・一匹狼を辞さない

・精神の貴族でいる。動物的に生きる 主義をなくす

・レジャーは幻想。どこにでも資本の手が伸びていて踊らされている

・労働、勤労とかいったものから快楽を尊重する考えにパラダイムシフト。

・労働を快楽にするには性感帯の拡大に努める。

・忍者のように自分の周りをわざと誤解ではぐらかして自分を守る。誤解を恐れない




 こうした項目に自分の主義との合致を確認できて満足してるんだが、すでに現代社会は快楽主義化してきているので、別に不思議でもないようだ。最低限の生活基盤だけ持ってあとは自由気ままでいるフリーター、引きこもりの類の人は言われなくともやってそんな生活をしている。みみっちいのが嫌いな人はまとまった不労所得がないと快楽主義者になれないだろう。経済的な面を除いたら、ユートピアで幼稚な考え。幼稚ってことは動物的なことでもあり、快楽につながるが。



 わたしはどうも死を起点にした快楽を考える傾向があり、極めてくると情死とか腹上死とかへ行き着きそうで嫌だ。あるいはアヘンなぞに手を出して生きたミイラとなっていくとか・・・・死が頭に浮かぶのは生活が充実していなく、暇で退屈な証拠だと述べられている。

 久しぶりに面白い本に出会ったと思って、1字1句に近いくらい時間をかけてしまったが、時間を消費しても建設的な結論は導けなかった。むしろ既に知ってるネタの再確認のようになってきてそれほど面白みがないことに気づいてきた。

 快楽的に生きてくうちに遭遇すると思われるエゴの衝突(みんながみんな快楽的に生きたら絶対衝突する)はどう対処したら良いのか?、アナーキズムやニヒリズムのような虚無主義におちいらずに建設的で青空のようにカラッとした生活をするにはどうした手立てを加えたらよいのか?ここら辺の解答は得られなかった



快楽主義者を取り上げている。孔子は美食家で、家で飼ってる豚じゃないと食べないなどと贅沢言うので妻に離縁された。オスカーワイルドは自分の天才は生活に使い、才能は著作に使うといっていた。李白はいつも酔っ払っていてどこにでも寝そべっていた。岡本太郎は自分はピカソを越えたと言っていた。他にも自分を生活の天才などと言っているような痛快な人が多数。







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Last updated  2004.08.04 12:21:23
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