(10/16)マーケットの魔術師 株式編 ジャック・D.シュワッガー/著 増沢浩一/監訳
2003年08月 2,940円
Michael Lauer
【キーワード】15銘柄 1日で資産2/3 株価の非効率 現在に満足 レバレッジと追証
1.集中投資
集中・分散についてはもういい加減聞き飽きたネタではあるが、彼は15銘柄までの分散投資しか認めていない。非凡なパフォーマンス(年利100%超)を得るためとマーケットとの連動性を低く保つ(マーケットの状況にかかわらず収益を上げる)ためには絶対必要で、分散を広げることは、結局マーケットのパフォーマンスに収束していき収益が限定されてしまう、といっている。小型株中心なのでラッセル2000との連動性が一番高い。(銘柄選択に絶対の自信と確信があるなら、そりゃ集中した方が良いだろう)
2・テクニカル的暴落とカオス
1987年10月のブラックマンデーの時は1日でダウ平均が25%暴落した。彼はそのとき大きくレバレッジをかけていて、(割安なものしか持ってなかったが)1日で運用資産が1/3減った。当然追証が入り膨大な額の保証金が請求され、借金して保持することもできたがそれは賢明でないと思って止めた。教訓としては「レバレッジの誘惑と嫌悪感は一生ついて回るだろう」。結局ブラックマンデーは、グレアム型だろうがバフェット型だろうが、集中だろうが分散だろうが、何を保有していても関係なし。すべて暴落。ロングはすべて損。テクニカル的な理由からの暴落ではポートフォリオのコントロールが失われることもある、というカネでは買えない経験ができた。(911の時のように直ぐには反発しなかった。4下がって1戻るくらい。元に戻るまでに1,2年かかっている) この年は100%くらいのリターンで来てたのが最終的にトントンくらいで終わった。
3・投資法
うろ覚えのまま本を返しちゃいましたが・・・ロングは、
株価が少なくとも50%暴落している。利益は赤字や減額でも良いが財務基盤はしっかりしてなければならない。近い将来その株に変化(カタリスト)が訪れることが予測できる。キャッシュフロー倍率が低い。インサイダーによる買いが入っている。
・・・こんなところだと思う。ショートは最長で1週間の保有で同様にカタリストの存在が必須。
「投資ビジネスにおいて、収益は、すばらしい会社に投資することからでなく、株価の非効率性をつくことから生まれる。」 運用資産は拡大しない。「現在の状態に満足しているので。」