|
カテゴリ:こんぺいとう〜世界一周ひとり旅
インド洋の海水を引いてプールになっている。裕子はインド洋で泳ぐなんて一生に一度出来事だとさっそく申し込んだ。ただこうやって船に乗ることは1人分300万ぐらいで済むらしいがインド洋のプールで泳ぐとなると別に必要になる。アップする。また別に申し込むとアップする。最後はアップアップの裕子だ。
そんなことより裕子が心配したのは別のことだった。ベッドの横に置いてある時計がカチッカチッとするだけで静かだ。誰もいない。裕子はバスルームにいた。息を止めたのにギチギチ音がする。裕子が持ってきた水着が縮こまっている。イヤ、縮こまったわけではなくて船に乗って美味しいものばかり食べて来たから身体がぶよぶよになっただけ。汗がどっと出てきた。要するに冷や汗😅 みんなでプールに入った。まるで女子高生がプールに入ったような賑やかな声。プールの周りにスタッフの何人かが立っている。その中の一人。 「はーい、皆さん!! ゲームを始めま―す。もしかしてまさか泳げない方はいらっしゃいませんよね」 みんなでコクンとうなづいたが裕子が叫んだ。 「私泳げません!」 どっと笑い声。スタッフも苦笑いで 「では水の中で歩くゲームをしましょう」 舌を出した裕子は周りの人に謝った。少し離れていた聡美が人をかき分けながら近づいて来た。 「よかった! すぐに見つけられると思ってたけど人が多くてビックリ!! 泳げなくてよかったわ」 「なんか慌てて聡美さん探す余裕なくて」 裕子は水着のお腹あたりにスカーフを巻いている。それがプールの水に漂っている。 「裕子さんおしゃれ!! 水着の白とスカーフのピンクがよく合ってるわ」 「いいえ、たまたま」 水着はやっと着れたけど着てみるとお腹がまるで相撲取りに見えた。それに白い水着のあそこあたりのヒゲが少々長くて見えそうで気持ち悪い。女性用ひげ剃りは船にもあるだろうけど買いに行く時間も全くなかったからね。非常に緊張したプール遊びとなってしまいました。
インド洋の海水 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.07.03 15:22:11
|