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カテゴリ:青く踏み世界一周ひとり旅
裕子も聡美もまだ宝石の街にこだわっていた。今度は裕子と聡美の二人だけで歩いている。相変わらずタムタムを尊敬している聡美は
「昨日のタムタムさんのおかげで私たちも大丈夫よね」 「それより昨日の彼氏に会いに行かなくていいの?」 「お財布忘れるおばぁちゃんじゃね」 ぶらぶらと歩いていくとどの店でも店員がお店の前に立っている。その中の一人が深く頭を下げる。裕子と聡美は怪訝な顔になる。 店員が叫んだ。 「おはようございます 美智子さま」 「えっ」 と驚く裕子。 「どっちのことかしらねぇ」 と聡美。 「ねぇ」 すると近くを他の若い女性が通ると 別の店員が叫んだ。 「おはようございます 雅子さま」 聡美がじろりと見て 「あら」 裕子も 「私たちを雅子さまって呼んでくれたお店で買ってあげるのにね」 うなづく聡美。 香料の店の前で立ち止まる聡美。 「サフランが安かったら買いません?」 「カレーに使うのよね。是非是非」 店員が出てきて日本語で 「見るだけでもどうぞ」 「見るだけ見るだけ」 と入っていく二人だがサフランと言っても何種類もあるらしい。二人で香りを鼻でかいでいる。 「いい香り」 と裕子。 「ねぇ」 と聡美も答える。だが小さな袋に50ドルと書いてある。聡美は店員に向かって 「ウーパー」 と首をすくめる。 「ウーパーって何?」 と裕子。聡美の答えは 「高いわーってこと」 納得して聡美の真似をする裕子。 「ウーパー ウーパー」 仕方なく店員が45ドルとする。二人でウーパーウーパー。店員が40ドルまた二人でウーパーウーパー。繰り返し値段を下げるうちに聡美が叫ぶ。 「10ドル」 あきれた店員が叫ぶ。 「ノー ノーノー」 二人はあきれ顔で店を出る。だが店員が追いかけてきて 「10ドル OKOK」 裕子が大喜びで 「やったわね」 でも慎重派の聡美 「でも裕子さんもいるんだから二つよ」 と指二本。 店員はうなづく。だが聡美は満足しないで 「二つで17ドルよ」 あきれて首をすくめて店に帰って行く店員だった。 「聡美さんはすごい。私だったら20ドル出しちゃうわ」 「買おうと思ってもすぐには買わない!! タムタム流よ」 納得顔の聡美だった。
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最終更新日
2025.07.19 17:00:04
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