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カテゴリ:青く踏み世界一周ひとり旅
船の夜。メイン会場で何人かのダンサーがベリーダンスを踊っている。エキゾチックな素敵な衣装で腰を優美に動かす度にドレスの裾が美しく波打つ。隣り同士で眺めいている裕子と聡美も見惚れている。
裕子は小声で 「同性でも見惚れちゃうわ」 「ベリーダンスって古代エジプトやペルシャ帝国が起源とされる説が有力だって。いろいろな国の街を巡って踊っていたそうよ。ジプシーみたいね」 「日本で言えば川端康成の『伊豆の踊り子』ね」 「今は中東や北アフリカ トルコで特に有名で 女性の身体の動きを活かしたダンス。お腹や腰の動きが特徴的でインナーマッスルを鍛える効果や 女性特有の悩みの改善 メンタル面での不調改善に効果があると言われ ている」 うっとりした顔の聡美が腰をくねくね回している。ダンサーを見ていると同じになりたくなるらしい。 「そしてトルコでは燃え上がる〜」 「聡美さん 私に似てきたみたい」 「そう?」 怪訝な顔になる聡美。 帰りに聡美は裕子を送って行こうとしたが大丈夫だと別れて部屋に戻った。だが突然海を見たくなってデッキに出た。するとたまたま二人の男女が立っているのを見てしまった。実は一人は医師で隣りの女性は横顔から若くて外国人だとわかったのでこっそり離れて行こうとしたが後ろから呼ばれた。
「片山裕子さんですね」 裕子は小さく頭を下げてさらに離れるが追いかけてきた医師。 仕方なく振り向いて 「お連れの方はよろしいんですか?」 「彼女はさっき踊っていたベリーダンスのダンサーです」 「なるほど」 「ダンスのおかげでお腹や腰の動きが特徴的でインナーマッスルを鍛える効果や 女性特有の悩みの改善 メンタル面での不調改善に効果があると言われているそうですよ」 「あら 何処かで聞いたような」 そう答えても医師はもういなかった。裕子は仕方なく近くにあった椅子に座りこんでしまった。ぼんやりして壁に寄りかかった。どれくらい時間がかかったんだろう。肩を叩かれた。裕子の隣りに聡美がいた。頭をかかえる裕子。 「私ぼんやりしてた?」 「やっぱり気になって戻ったらどこにも居なくて心配したのよ」 「私 前ほど物忘れひどくなくなったのに」 「やっぱり私に送らせて」 素直にうなづく裕子。 「私 病気なのかな?」 「そんなことないわよ」 手をつなぎながら二人は廊下を歩いた。しばらく裕子は黙っていた。そして聡美も黙っていたが心の中では 「恋愛どころじゃないんだろうな」 と思っていた。突然裕子が言った。 「聡美さん トルコで燃え上がりたいんでしょ さっきそう言ってた」 「マサカ だって誰と?」 「少年と」 「お財布忘れる おばちゃんよ」 「じゃあ タムタム」 聡美はゴクンとのみこんだ。 「じゃあ 私にちょうだい」 聡美は裕子の顔を見たが全く笑っていなかった。 ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2025.08.09 22:20:36
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