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カテゴリ:青く踏み世界一周ひとり旅
船の喫茶店で裕子と聡美。コーヒーを飲んでいる裕子をじっと見ている聡美。裕子が気がついて 「何々? 聡美さん?」 「えっ!?」 「私のこと じーっと見てた」 「そんなことないわよ それより」 と聡美はトルコ風呂のパンフレットを出して来た。たまたま別の人と話しながら近づいてきた何それさん。 「あら どうも。お二人は仲よろしいのね」 お愛想顔で会釈する二人。二人の前にあったパンフレットを見て 「やだー。トルコ風呂? 嫌らしい」 裕子は 「トルコ風呂って ホントは嫌らしいものじゃないのよ」 「知ったかぶりしちゃって」 「えっ?」 立ち上がりそうな裕子を抑えて聡美は 「トルコではトルコの銭湯を『ハマム』というそうよ」 「ふん」 といって離れて行く。彼女の背中を見送って 「ホントに何あれ?」 「それより ハマム行ってみる?」 船の新聞をバッグの中から引っ張り出して聡美はす 「銭湯っていっても日本の銭湯より値段が高くて 頼めば三助さんが来てマッサージ シャンプーあかすりをしてくれるんだって」 「あかすりって痛いんでしょ」 「観光客相手のハマムは心得ているそうよ」「でもやっぱり一番引っかかってくるのは」「三助さん」 見つめ合う裕子と聡美。 裕子の中で勝手にイメージが浮かぶ。 まずハマム全景。服を脱いで洋服とバッグをロッカーに入れる裕子。タオル一枚で全身を包む。そこで裕子が叫ぶ。 「わっ」 近づいてきた三助はクマのような男。蛇口の横に座らされた裕子に三助が何回もお湯をかける。何回もお湯がかかると暖かくなる。 顔もぽっぽぽっぽ赤くなる。 今度は大理石を指さす三助。 「私?」 うなづく三助。横になるふりをする。 聡美の声が聞こえた。 「何想像してるの?」 聡美はくすくす笑って 「どうしたの? 大丈夫?」 裕子は 「だって大理石で横になるのよ」 「パンフレットに書いてあるわよ。大理石で裏表になってあかすり」 裕子は 「私やせてるから どう見てもまな板の上の鰯」 「普通は鯛でしょ」 「肉だったらささみ 私はステーキになれない」 「じゃぁ ハマムはやめましょう」 子どものようにうなづく裕子。 「三助さんもあかすりしながら好きになっちゃう時ってないのかしらね」 首を傾げる聡美。 その後聡美と別れて部屋に帰る裕子。 夢を見ている裕子。ハマムの一室。裸の裕子にタオルをかける三助。三助はイケメンの若い男性。 上機嫌の裕子。 「サンキュウ」 といいながらロッカーに向かっていくが三助は裕子にぴったりくっついてくる。 裕子は(困ったわ 惚れられちゃった)と思っている。三助に肩を叩かれる。裕子は振り返って 「ノーノー ノーノー。(ああ キスされちゃう。パパごめん)」 と目をつぶる。三助さん 「ノーノー?」 言われて目を開ける裕子。 三助は指でお金の形をしている。 「チップかー」 イケメンのあふれる笑顔。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2025.10.16 06:25:52
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