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カテゴリ:青く踏み世界一周ひとり旅
朝船のレストランで食事を終えて出てきた裕子と聡美。デッキに出ていく。裕子がはりきって
「席取れるわ」 と真っ先に飛んでいく。スタッフもデッキにもう出ていて 「運河の三段階の閘門の様子をご覧ください!! 64キロに渡る水のはしごを上るわけです。その後12時間かけて運河を航行したあと再び三段階の閘門によって海面に戻される仕組みになっています。スエズ運河は鏡のような水面をゆるやかに航行するのと比べてパナマ運河は色々動きがあって楽しいものですよ」 聡美が小声で 「お昼はうなぎですってよ」 「え!?」 「スエズ運河をするりと抜けられるようにと縁起をかついでるんですって」 「やった!!」 と大喜び。 その日の夜のデッキを散歩している裕子と聡美。手を繋いで歩いている。 「うなぎおいしかった! でもウオーキングウオーキング」 と楽しそうに歩いている裕子だがしばらく歩いてから聡美が言った。 「私ね 裕子さんがいなかったらこんなに楽しくなかったと思うわ」 「そんなの 私も同じよ」 「あら 私の方がそうなの」 「あら 私の方がそうなの」 「もう」 「もう。でもね 私 お嫁ちゃんの聡美ちゃんのことも好きになれるかもしれない」 「えっ 好きじゃなかったの」 「あのね 普通はね 嫁のことは好きじゃないの 彼を取られたのよ」 「正直な人」 とくすくす笑っている。舌を出す裕子だったが聡美はこの際自分も正直に言おうと思った。 「ねぇ 裕子さん」 「何?」 「私ね 好きな人出来ちゃった」 「えー!」 少しオーバーに聡美の手を離して何歩か進む。そして振り向いた。 「誰よー?」 「わかってるでしょ タムタムさん」 顔をそむけた裕子。そして言った。 「何? その人 どこの誰よ」 聡美の笑顔が固まった。 ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2026.02.02 10:20:04
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