|
カテゴリ:青く踏み世界一周ひとり旅
デッキをゆっくり歩いている聡美。早朝の海。小走りにやって来たタムタム。
「早起きだな」 「タムタムさんも」 「段ボールまとめてたら朝になった」 「私は荷物が少ないから 裕子さん やっとわかったの もう日本に帰ること」 「こりゃ大変だ」 「しばらくほっといてって言って ドアをガチャン」 「仕方ないね 認知症の始まりにはムラがあるんだよ よかったり悪かったり」 「あっ かもめ!!」 聡美が鳥に目をやると 「もう一羽いたね」 とタムタム。 聡美は 「夫婦みたい」 と言いたかったけどいえなかった。 そして突然 「私 船でいっぱい嘘をついたわ」 「嘘ついたっていいじゃないか 嘘をついたオレがいうのも変だけどさ みんな少しはウソをついてる 船はそれぐらい夢物語なんだよ」 「そしてさようなら」 「なんだよ 急に」 今度は舌を出した聡美。 「なんちゃって」 「ホントに裕子さんに似てきたな」 「でも船から降りれば もう裕子さんとは会えなくなる」 「そんなことないよ」 「でも彼女には大事な家族があるもの 私にはない あ〜 だから一人って楽よ〜」 笑顔になって去って行く聡美
お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2026.03.16 06:50:17
[青く踏み世界一周ひとり旅] カテゴリの最新記事
|