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カテゴリ:青く踏み世界一周ひとり旅
横浜大桟橋埠頭にて船を見上げている裕子。小走りで近付いてくる聡。息を切らして
「今日は裕子さんの方が早い」 「今日だけ」 すっかり最初に戻っているような裕子。 「ちゃんとパパ忘れてない?」 笑って 「バッグに入れてきた。でもさーもうお別れね」 聡美も船を見上げて 「たった 三ヶ月なのにね」 「ずっと前から知っているみたい 船も聡美さんも」 「私もそうよ」 「ねぇ あそこのホテルに姉と娘が来てるみたい うちの聡美ちゃんは来てないと思うけど よかったら聡美さんも行かない? 一緒にランチしよう?」 「あっ ごめん。私も主人と約束してるから」 「ああ そうよね」 ハグする二人。お互いに見つめながら後ろに歩いていく。だが裕子が人にぶつかりそうな音がする。振り向いて 「裕子さん 危ない危ない」 舌を出す裕子。笑いあう二人。 「せーの」 裕子と聡美はまた同時に後ろを向いて歩き始める。 船の診察室では部屋をぐるりと眺めているパパのライバル。ドアを叩く音。スタッフが顔を出す。 「先生 本当にありがとうございます お疲れでしょう?」 「いやぁといいたいがね 君もお疲れでしょう?」 「いえいえ それよりよろしいんですか? 裕子さんにシャンパンをプレゼントなさったのは先生なのに」 「誘ってもらって嬉しかった でも船からのプレゼントにした方が無難でしょう」 「でも」 とスタッフは細長い紙袋を出して医師に手渡す。 「ん?」 「裕子さんから先生へのプレゼントだそうです 色々お世話になりましたと」 「もらっていいのかね」 「(小声で)ちゃんと電話番号書いてありますよ」 恥ずかしそうな顔になる医師。 横浜港の公園で歩いている聡美。トンと背中を叩かれる。振り向くと裕子がいる。 「どうしたの? まだ行ってないの?」 「私 今 考えたの」 「何を」 「私 一年後 うーん 二年後 クイーン・エリザベス二世号に乗る」 「ええー」 「パパのライバルと乗る」 「そういうことなのね」 「聡美さんは?」 「私は」 「ご主人引っ張ってけば」 「あー」 「ね じゃぁね」 振り向いてホテルに向かう裕子。呆れて歩き出す聡美。やがてくすくす笑いながら笑いが止まらなかった。 完
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最終更新日
2026.04.02 21:08:15
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