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醍醐山と下部(しもべ)温泉

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Tenkoro

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ピンク色のツバキ やまつり023さん

二代目館長日記 bnvn05さん
2024.12.05
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カテゴリ:山と文学
秋はあまりに遠くまでも見せるので
私はかえって死に狎れてしまう



だがまたやさしい身ぶりや
生真面目な顔が
遠い合図のように
私を新しい方へふりむかせる
私は光がうろたえながらかくすものを見
風が云おうとして云いえぬものをふと聞く



空は透き通り
空でないものがその青さをあらわにする



歌はとだえがちに帰ってゆくばかりなので
私は沈黙を歌のように歌い
沈黙もとどかないところを
幼いものののように無邪気に指さす
その時わたしはどんなものを持つことが出来る
私は城を画いては消しして遊び
海を私の涙の中へかえしてやる



大層曖昧な誰かの命令が
ゆっくりと陽を動かしているのを私は見る



日向を選びまた影を選び
私は私でないものの恋愛を追う
その間にひとや樹や本やパンと
忙しそうにじゃんけんをし
いつも気づかずに負けている



だが憧れも去ったりはせずに
また情念も帰ったりはせずに
ただ広がりが自らを守っている時
私はその中で急に泣き出したりはしない



私はただ季節が持ち去り持ち来たるものを計り
いろいろなしるしに気づきかけて気づかずにいる
終わるものも始まるものも信じないで
秋の中の自らの姿を
どんな心もなくふと点景のように思い描いたりする



(先月亡くなった谷川俊太郎さんの詩「秋」)





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Last updated  2024.12.05 08:29:32
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