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カテゴリ:お芝居のコト
2ヶ月公演も、始まってしまえば、あっという間で… でも、座頭の不在という事態になって、出演者はじめ関係の方々にとっては、 長く重い2ヶ月だったかもしれない。 それが、とうとう千穐楽を迎えた。 一丸となって熱い熱い芝居を繰り広げた側にも、客席を埋め熱く熱く観続けた側にも、 格別で特別な日だ。 開場を待っている時、平田さんが関係者用の扉から入られるのをお見掛けした。 平田さんは、初日にご覧になり、その上、千穐楽も… 平田さんと中井さんが、隼人と巳之助の為に一席設けて下さった事を、 Twitterで知ったけれど、本当にいろんな御縁が繋がって広がったなぁ…と。 原作者の方をはじめ、麦わらの御一同がご覧になり、 「髑髏城」から連日エールを送り続けて下さった、橋本さんと松山さんもご覧になり、 他に、演劇関係をはじめ様々なジャンルから、観劇の呟きがあった。 驚くほど多かった、「初めて歌舞伎を観た」という、呟き… 歌舞伎というものの先入観が、もしかしたら敷居を高くしていたのかもしれない。 もちろん、これだけが歌舞伎ではない。 でも、歌舞伎が、どれほど間口が広くて、奥に深くて、自在で貪欲で、大きなものか、 少しでも感じて貰えたのではないか… 千穐楽の客席を埋めた殆どが、既に1回は観劇済みだったろうし、 たとえば1階席の殆どが、後援会やファンクラブの会員(と、その連れ)だったろう。 だから、もう、幕が開く以前から、劇場中が湧き立っていた。 千穐楽名物の「美し過ぎる囚人」は、あの事故の後、連日ファーファータイムに御登場で、 でも今日は、監獄の中から出現され、ダズを引き摺って花道を御逃亡。 イワンコフ様の「蚊」は、叩いたり、逃がしたり、見失ったり、毎回の楽しみだったけど、 今日は、「お逃げなさい…」の後、ボンちゃんが、パチン! その前の場面で、イワ様に喰らったパンチでゴロゴロ転がされた事の、仕返し?(笑) ニューカマー・スーちゃんの「タンバリン出して~」のコーナーで、 ところが、スーちゃんの手には何も無く…それでも、いつも通りに 附打さんに迫って行ったら、附打さんからタンバリンが差し出された! ファーファータイムは、そりゃぁ、いつも以上の大盛り上がり。 上の階から1階席を見下ろすと、ほぼ全員がタンバリン持ってスタンディング状態で、 それはそれは壮観な眺めだったと… 美し過ぎる囚人は、いつも以上に妙な…独特なダンスで、 エースな囚人は、ただ伊達メガネかけたくらいで、バレバレで、 脱獄した大物囚人たちも、今日は衣装のままファーファーしてて、 すっかり背が伸びて、これは美青年になりそうな、小学6年生な囚人も現れて… そうしたら、とうとう! 小学1年生な囚人が、最終回にして初登場!!! そりゃぁ、もう、誰もが大喜びで、キャーッ!!!と歓声揚げて…だから、 もしかしたら、ビックリしちゃったかも…ちょっと、強張ってた… で、まぁ、何と!何と!! つる参謀な囚人までがーっ!!! それはそれは、最高で幸福で歓喜爆発な、ファーファータイムだった~ 今日の席は、ほぼセンターの12列目。 横に広い劇場が見渡せる席で、白ひげ海賊団の出に惚れ惚れとして、 エース越しの勢揃いな眺めに、圧倒される。 青雉の氷河時代は、ここぞとばかりに降りかかり… 「降ってきたコレクション」が、また増えた♪ 吹雪は、劇場内で収まらず、地下鉄の駅まで点々として… それどころか、羽田空港での目撃談まで… 嬉しくて、愉しくて、吃驚して、衝撃を受けて、泣かされて、元気を貰って… こんなにも、感情の丸ごとを揺すぶられる作品が、あっただろうか… これまで、それなりに様々な舞台を観てきたけれど、大きな大きな感動の挙句 自分の中がスッカラカンになったような解放感まで味わわされた経験なんて、 この作品しか知らない… だから、何度でも何度でも、観たくなるのか… カーテンコールの幕が上がると、四代目が居た。 その瞬間から劇場中が総立ちになった事は、言うまでもない。 四代目が、まず登場を促したのは、今しがたまでサウザンドサニー号を 人力で動かし、附打ちで観客の心も煽った、大道具の方々。 アンサンブルの方々、それぞれの御家のお弟子さん方、名題さん方、 重要キャストの方々、そして平成生まれの4人…の登場を、 四代目は舞台の一番後ろに立ち、出迎えた。 自分の不在を支えたひとりひとりを、出迎えたかった四代目の思いが、 劇場中に満ちた… 最前列に出てきた四代目は、ルフィな右近が列の中央に入れようとするのから、 するりと逃げて、右近の腕をとり高々と掲げた。 すると右近は、目の下の「ルフィの傷」を剥がして、四代目に付けた。 懸命に舞台を勤めあげた右近の思いが、毀れ出た… 四代目の挨拶の後、翌日が誕生日の四代目と、白ひげな右團次を祝う、 イワ様でセンゴクな浅野さん発案のサプライズがあった。 バースデーケーキの帽子を被った、ちいさいチョッパーな右近ちゃんが すっぽんから登場して…そこまでは段取り通りだったと思うのだけど、 右近ちゃんはそこで固まっちゃって、暫し棒立ち… 慌てて、ルフィな右近がお迎えに行って、舞台中央へきた右近ちゃんのほっぺたを、 四代目がむにっ♪ もう、それまでの感動で泣き笑いの劇場中に、更にシアワセが溢れた… 幕が下りても鳴り止まない拍手に、舞台の袖から四代目が表れて、 ひとしきり手を振った後、もうお帰りなさいよ…と、促した。 誰もが満たされて、劇場を後にした… こうして、2ヶ月に渡る新橋演舞場での公演は、幕を閉じた。 来年4月は松竹座、5月は御園座で、再び上演される。 冒険は、更に続く… そして、その先は…四代目の見据える、更なる先は…… まずは、しこたま買い込んだ舞台写真の整理をして、 素晴らしかった舞台の反芻をしていよう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2017年11月29日 14時29分03秒
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