今週の北海道は、寒暖の差が激しすぎ、外での仕事が厳しい日もありました　特に、26日（火）はＢＴＣでのロケだったんですが、全道的に真冬日で、寒さもきつかったんですが、浦河でもところどころ地吹雪で視界が悪くなるなど、運転中での苦労もありました。

　この日はＪＲＡブリーズアップセールに上場される予定馬で、ＪＲＡ育成馬の馬体検査が行われました。その模様はちょっとだけ自分のブログでもアップしましたが、この日が牡馬、翌日が牝馬が検査対象。寒い中、１頭１頭チェックされるＪＲＡの方々も大変だった１日だったと思います。

　そして、27日（水）は、（株）ジェイエス主催の「冬季繁殖馬セール2010」が、新ひだか町静内の北海道市場で行われました。この時期に行われるようになって今年で３年目となりましたが、年々上場頭数も増えている傾向で、今年は71頭の上場予定で６頭が欠場、全65頭と前年より19頭アップしました。



「もっと集めなくてはいけないとは思っていますが、未供用馬が半数以上を占めるなど、この時期ならではのラインナップとなったと思います」

と、代表取締役社長の藤原悟郎氏。

　序盤から活発なセリが展開され、上場番号14番のマンデームスメ（父サンデーサイレンス、クロフネを受胎）が2152万5000円（税込）で、（有)ビッグレッドファームが落札されました。マンデームスメは、北九州短距離ＳなどＪＲＡで６勝を挙げるなどの活躍を示し、このセール唯一のサンデーサイレンス産駒という、配合面での魅力から注目度が高かった１頭です。


（マンデームスメ）

　後半は未供用馬が登場しました。未供用馬は、競走生活を終えたばかりの牝馬で、「上がり馬」という表現もしますが、この中でシンコウラブリイの妹に当たる上場番号35番のネイチャートレイル（父フレンチデピュティ）が、その中では最高価格となる735万円で、これも（有)ビッグレッドファームが落札されました。全体でも２番目の高額落札馬でした。


（ネイチャートレイル）

　全体の成績では、42頭が落札され、売却率は64.6％（前年比で約1.6％増）。売却総額は8,970万1,500円（約1300万円減）、売却平均額は213万5,750円（約140万円減）でした。

「もう少し売れるかなとは思いましたが、前年より売却率そのものは上がっていますし、注目されている血統馬はやはり高額の取引が成されたというのは良かったかなと思います。今後は、オーナーブリーダーだけでなく、一般のオーナーの方々に、牝馬を競走馬として使っている場合に、こういった流通もあるということを知って頂き、上場頭数を増やしていく努力を我々もしていきたいと思っています」

と、藤原氏は総括されていました。

　純粋に、牡馬と牝馬の生まれる確率は当然、２分の１ずつですが、同じ血統であっても、牡馬と牝馬では取引する上で値段が格段に違うということはよくあることですし、牝馬だとなかなか売れない状況は今も変わりません。

　そんな中、ホッカイドウ競馬の２歳馬が毎年のように６割は牝馬が占めることが代表されるように、地方競馬への牝馬入厩率は非常に高く、ＪＲＡではヴィクトリアマイルの設立から牝馬重賞を体系化したり、内国産牝馬奨励賞が今年はアップしていますし、南関東でも数年前から牝馬重賞に対する副賞などがついたりするなど、牝馬所有のオーナーに対する付加価値というのは徐々についています。

　そして、競走生活を終えた後に、繁殖馬セールへ上場されることで、さらに流通が活発化されるようになっていけば、牝馬への需要が高まる時代が来る可能性が高いと思います。繁殖馬セール出身の牝馬から、マイネルキッツやセイウンワンダー、フィールドルージュなどの国内Ｇ１馬や、シンガポールゴールドＣを連覇したエルドラドなどが輩出されていますし、繁殖馬セールが、さらに進化していくことを切に願います。

　なお、「冬季繁殖馬セール2010」の模様は、２月14日（日）が初回放送の「グリーンチャンネル日高支局定期便」で放映予定となっています。こちらもぜひご覧頂けたらと思います。