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カテゴリ:奥村 武
未曾有の大震災から、だいぶ月日は経過しました。
ここ美浦村では、もうその当時の出来事を思い起こさせるようなものはめっきり見当たらなくなりました。 それは復旧、復興という言葉で表現された、「元に戻る」という出来事さえも遠い過去のことのように私たちの記憶から薄められていきます。 しかし、2次的3次的な被害、震災の爪痕は今でもなお震度6を観測したこの場所では、私たちの生活お馬さんたちの生活に影響を与え続けています。 今日はそんなあまり皆さんの目に付いていない、震災の残した今でも続く被害を紹介しましょう。 私たちとお馬さんたちが生活するここ美浦村を含むエリアは、トレーニングセンター以外にも農業施設は多く周辺には多くの農家が存在しています。 霞ヶ浦の恵みや雪の少ない気候の影響を受け、田畑が多く存在しお米やカボチャ、レンコンなどが特産品、名産品としてラインナップされています。 しかし皆さんもご存じの通り、あの大震災で田畑は塩害や液状化の影響を受け甚大な被害を被ることとなってしまいました。 美浦村周辺の田畑も例外ではなく、多くの農家がその影響を受ける事となりました。 その結果、所有する農地を休耕したり、転用する農家が増える事に。 するとどうでしょう。 今まで美浦トレーニングセンターから毎日搬出されていた大量の馬糞や汚れた寝わら。 これらから作られていた大量の肥料。 震災前はその需要と供給のバランスは均衡の取れたものでした。 しかし、作付面積は減りこの肥料の受け入れ先が激減するという想定外の出来事がここに来て噴出することになってしまったのです。 つまりこんなにたくさんの肥料はもう要らないですと農協の方から申し入れされてしまったわけですね。 困りましたね。 結果的に馬糞や使用済みの寝わらの行き先が無くなってしまったわけですよ。 産業廃棄物として処理すれば莫大な費用が掛かってしまいます。 今現在行き先を失った大量の寝わらや馬糞は一時的にトレセンの空き地に管理されきちんと保管されています。 しかしそれにも限界があるというもの。 そして夏を目前に控え、そこには新たな問題が。 そうですハエです。 ハエの大発生。 この保管場所の周囲の厩舎には大量のハエが押し寄せてきています。 不衛生ですよね。 お馬さんたちも嫌がっています。 この件に関しては競馬会が早期解決を目指して奮闘中ですので、より早い解決を待ち望んでいます。 そして厩舎の前のお庭に一昨年から作ってきた、お馬さんたちの大好物であるクローバーの畑。 昨年の秋にも種をまき、今年はしっかりと根付き良い畑に成長してきていました。 しかし春頃から小さな穴がちらほらと見られるようになりました。 その穴を猫ちゃんが覗いて獲物を狙う姿が毎日のように見られます。 はて? 何を待っているのでしょう?? みんなでやれモグラだ、やれヘビだと。 しかしこの梅雨時期に来てその穴が徐々に巨大化。 このままだとお馬さんの脚がはまって大変なことになりそうだ。 施設を管理する方に相談する事になりました。 今まで知らなかったのですが、その地下には配水管が埋設されているのだそうです。 震災の大きな揺れでそれらの配水管が何カ所も折れてしまったとのこと。 そんな状況ですから、その折れた管から土がどんどん流れ出し、大きな穴となったのでした。 あの震災から2年と少し。 今となって厩舎の庭に大きな大きな穴を開けてくれました。 手塩にかけて作ったクローバー畑も3分の1ほどが台無しに。 今となってそして今でもなおトレセンに影響を与え続ける大震災の傷跡。 今後一体どのような被害が新たに生まれてくるのでしょうか。 もっともっと大きな被害に遭われた地域の方はどのような不安にかられ続けているのでしょうか。 心配です。 そして気になる猫ちゃんですが、一体何を待っていたのでしょうか? 答えは、その穴から配水管の中を行ったり来たりするネズミを狙っていたのです。 配水管の中にはたくさんネズミが住み着いていたそうです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2013年06月30日 15時37分22秒
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