地方競馬の楽天競馬|日替わりライターブログ

2017/02/22(水)20:20

この場所の風景 その場所での存在感

坂田 博昭(909)

 水曜日の担当は、坂田博昭です。  この文章が人目に触れることには、わたしは恐らく高知にいるんだと思います。  資料画像 はりまや橋  資料画像 高知競馬場  これ、夏場の写真です  今日の高知の話は、このあとの皆さんが書くでしょ?きっと(笑)  最近他人任せが多いけど、「リレーブログ」ですから。私はバトンの受け渡し役をせっせとやります。  …来週、自分でちょっと書きます、たぶん(笑)。  私は、先週の金曜日に名古屋競馬場に行った時の話を書きます。  名古屋競馬場の入場門近辺。  JRAの発売が始まってから、道路沿いにある目立つ看板には「J-PLACE名古屋」の文字。馬が走る競馬場であることの案内は、昔からある入口建屋上方の「名古屋けいば」の文字だけ。名古屋はJ-PLACE効果の大きい競馬場のひとつとされていますが、競馬場側がメリハリが効いた運営でその効果を引き出しているということが、こうした細かいところからも窺われます。  ローカル重賞はあったとはいえ、集客が微妙な金曜日。天気も雨が降るんだか降らないんだかの微妙な感じで、正直お客さんの入りはどうなんだろうと思いながら競馬場を訪れた私。  近年のこの場所の集客動向を承知していませんが、一時のことを考えたら十分お客さんが入っているじゃないかと、私は素直に思いました。  パドックは寒い!  それでも、大きなカメラを抱えて馬たちの姿を撮影するひとびとが、少なからずいました。  同時開催の南関東を併売している効果もあるのかも知れません。  スタンドの中にはこのようにコンスタントに人だかりが出来ていました。  スタンドの4コーナー側の端にある「レストランあらぶ」  かつてこの店も昼時なのに閑古鳥が鳴いている時期があったと記憶しているのですが…いまは特別メニュー(この日はカキふりゃー 笑)も用意して元気よく営業中。滞留客が多いと経営的にはどうかわかりませんが、席は半分ぐらい埋まっていたかな。  週末にこの場所にJRAの馬券を買いに来るひとびとがいて、そこからの波及効果で開催日の集客にもなっているのだろうな、と思わせるのが、客層。超年配客の姿はそれほど見られず、壮年、若年のお客さん方もしかるべく姿が見られたのは、少々以外でした。都市部の競馬場だから、という面もあるのでしょうが、世の中で言われているような「公営競技人口の高齢化」なんてどこ吹く風という感じです。  良くも悪くも、場内の「さまざまなものごと」は変化がなかったこの場所。  となれば、期待はこれから…ではあるのですが  報道でご存じの通り、いまトレーニングセンターのある名古屋近郊の弥富に移転するという話が出ています。  関係者の方に聞けば、この件報道が先行しすぎていて、その方向に話が進むかどうかは「今年度末までに決める」ということになっているそうです。現場レベルでの話はまだこれからとのこと。報道が先に出ているのは、様々な向きの間の「綱引き」の結果なのでしょう。  経営上の様々なことを含めて検討されていくのでしょうが、それとは別にいまこの場所にある雰囲気、場所に人が集まり醸し出しているこの競馬場独特の「空気」が失われることは、何だかとても惜しいことのように思えます。  若い頃から長らくこの場所に立ち、風景も見てきているだけに、そんな思いも募ります。  それはともかく。  場内には、学校の壁新聞なみに様々な情報が掲示されています。  それも写真をふんだんに使い、とても目を引くカラフルなもの。  これも競馬場のスタッフの皆さんの意欲でしょうか。  そういえば…例えば人手が必要な重賞の表彰式の時には、時刻が近づくと広報以外の部署の方々も大勢集まって、総出で仕事をされていました。  こういう「中のひとびと」のムードが、競馬場が元気よく続いていくために必要なエネルギーなのかも知れません。  久しぶりの名古屋で、会いたいひとたちがいました。  自らの選択でしばらく戦列を離れ、そして「その仕事」に戻ってきていたふたり。  加藤誓二ジョッキー  一旦騎手免許を返上して「廃業」したあと、「居酒屋→育成牧場→居酒屋→厩務員(笑)」(本人談)と様々な形で5年間を過ごし、一昨年からまた騎手を生業として奮闘を続けています。 「様々なことを経験したし、それ以上に多くのひとたちと出会って、そこから得たり気づいたりしたことが本当にたくさんありました。騎手の仕事に戻ったのも、あるひとりのひととの出会いがきっかけ。そのおかげで、いまは以前とはまったく違う気持ちで仕事に取り組むことが出来ています。」 「馬に関しても、騎手を離れている間に色んなことを勉強できました。育成牧場では、名古屋ではなかなか乗れないような、後にJRAの一流馬になるような馬にも乗って『違い』を感じられたし、若い馬の乗り馴らしもいい経験になりました。」  以前とはまったく違う、と繰り返し語る彼。  「いま」を騎手として生きていくということ。  その意欲とエネルギーが、話を聞く私に向かってギュッと伝わってきました。  もうひとりは、この方。  宮下瞳ジョッキー  昨年復帰してから初めて姿を見ることが出来ました。  率直な印象を申し上げると…以前この場所で姿を見ていた時とは全然違う。正直、「えっ!」と別人かと思ったぐらい。  そのぐらい、その姿から出ている雰囲気がまったく違いました。  言葉にするのがとても難しいのですが…  敢えて言うと、以前「前へ前へ」出ていた彼女の雰囲気が、いまは「包み込むような感じ」であたりを被っている、とでも言いましょうか…。それも、厳しい勝負の場にありながら、勝ち負けとか内容とか、その勝負という事柄そのものも含めて、全てを包み込んでしまうような感じ。  なんなんでしょう、この雰囲気は。  検量回りでは、周囲のひとたちと本当によく話しています。それもとびきりの笑顔で。 こうして若手騎手と何か仕事の話をしながら装鞍所に歩いて行く姿も、決してゆるくない、それでいて全く押し込んでくるところのない、不思議なエネルギー感。  こういうのを「オーラ」って言うのかな…。  なにがしか話を聞こうと思ったんですが、私、完全に気圧されていました。そして、何を言葉にして確認すべきなのか、全然頭の中でまとまらなかった。  果たして私は今日高知で、彼女についてその確かめたかった「何か」を見聞きすることが出来るのでしょうか…。  今日も恐らく、ただただこのオーラに見惚れて過ごすことになりような気がします……。

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