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カテゴリ:横川典視
木曜担当のよこてんです。
今週末の19日はいよいよ『ダービーグランプリ』。地方の3歳馬達の秋の決戦がやってきます。という事で今回は、16日朝の水沢競馬場におもむいて出走各馬の近況を探ってきました。 今朝の水沢競馬場はしばしば氷雨が降り注ぐような天候で非常に寒かったです。盛岡は雪も舞ったそうですのでそれよりはましと言うべきか?しかし冬の到来を強く感じる朝でした。そんなこんなな天気ゆえ今朝の写真がほとんど無いのですがご容赦下さい・・・。 さて、地元勢の注目はやはり2頭の“ダービー馬”、ベンテンコゾウとキングジャガーではないでしょうか。 ★ベンテンコゾウ ベンテンコゾウは16日早朝に追い切って4ハロン52秒1、終いの1ハロン12秒5というタイムを出しました。追い切りの手綱をとった村上忍騎手によれば「中一週になるので強く追う必要は無く、さらっと気合いをつけた程度」だそうですが、それでこれくらいのタイムなら上々と言って良いでしょう。不来方賞に出走できなかった事による11月6日のA級戦出走というローテーションの狂いはこの中間でひとまず取り戻したのではないでしょうか。 ★キングジャガー キングジャガーの方は15日の水曜に追い切ったとのこと。軽く整えた程度だそうですが、本馬はこれまでも直前にびっしり追うような臨戦過程は採っておらず強め・馬なりくらいで終えるパターンで来ていますから、これまで通りの調整という事になります。状態面に関してもこれまでと同様と見ていいでしょう、という関係者談。 両馬とも順調と見て良さそうです。よりトーンが上なのは、自分の感触ではやはりベンテンコゾウの方かなあ。 ★ワイルドソング ★ウニオミュスティカ 不来方賞2着ワイルドソング、3着ウニオミュスティカも今朝追い切って、ワイルドソングが51秒5、12秒3。ウニオミュスティカが50秒7、12秒1。いずれも好タイムを出しています。両馬とも不来方賞の時以上の追い切りタイムになっており、同様かそれ以上の状態で・・・という計算ができそうです。 ★ブラックロード ちょっと気になったのが不来方賞4着のブラックロード。今朝見た時には14ペース程度でさらっと追ってきた感じでしたが、素軽さや気合い乗りが良くなってきているように見えました。一変・激変とまでは言えないでしょうが気になる存在に。 今年のダービーグランプリの構図を探るとすると、やはり「地元ベンテンコゾウ対北海道スーパーステション」が挙がってくるのではないでしょうか。 7月の門別・王冠賞ではスーパーステションがベンテンコゾウを破って三冠を阻止したわけですが、当時は「3連続遠征のうえ夏負け気味だったベンテンコゾウ」と「王冠賞に狙いを定めたローテーション&地元で戦えたスーパーステション」の構図。 それが今回は「立ち直って地元で戦うベンテンコゾウ」「初めての遠征競馬になるスーパーステション」になるわけですから、王冠賞と同じ結果・同じ着差にはならない・・・と考えたい所。 ★スーパーステション もちろんスーパーステションも王冠賞からここまで4連勝中と成長感をみせていますからホームとアウェーが入れ替わったくらいの事では動じないかもしれませんが、しかし“地の利”が大きな要素になるのも間違いありません。その辺の差し引きがどうなってくるか。 「ダービー馬対決」の構図はどうでしょうか。岩手所属馬でありながら“北海道のダービー馬”ベンテンコゾウ、岩手のダービー馬・キングジャガー。そして地元高知と、西日本ダービーとの“二つのダービー馬”の称号を持つフリビオンの対決です。 キングジャガーは岩手ダービーダイヤモンドカップと不来方賞と、2000mの重賞を2勝していることで分かる通りに長い距離に苦手感がありません。その前者で今回と同じコースを戦っている点もアドバンテージになるはずです。 フリビオンはここまで9連勝中。地元での3歳戦のうちは同じような相手とばかり戦って・・・という面があり評価が難しかったですが、珊瑚冠賞で古馬を破り、西日本ダービーでは遠征競馬も制し・・・となればもう実力を疑う必要は無いでしょう。 キングジャガーの課題は、対ベンテンコゾウが実はこれが初めてという事に現れているように「全国レベルの一線級と戦うのは初めて」という点。 2歳戦~3歳戦序盤でベンテンコゾウとせめぎ合ってきたサンエイリシャールやオールザベスト、キングジャガーもこれらとは戦っているのですが、ベンテンコゾウは北海道三冠に挑み、サンエイリシャールやオールザベストは春以降ややピリッとしなかったりより短距離の方向に進んだりで、キングジャガーにとっては戦いやすい相手とのレースが続いたのは確か。ここが本当の意味での試金石になるのかもしれません。 フリビオンはその追い込みの破壊力は確かに凄いのですが、なにぶん不器用ですよね。あの脚質で1枠1番は正直どうかと感じざるを得ませんし、高知からの長距離輸送の影響も、決して小さくはないと考えなくてはならないでしょう。 もちろん、ここを制して“ダービー”の冠を三つ手にする事になれば、地方競馬史上でもちょっと聞かないような快挙になりますよね。その点では楽しみにしたいです。 南関勢はどうでしょうか。このレースでは過去4年連続でタイトルを手にしている南関勢ですが、今年のサイバーエレキングは直近の戦績がさすがに悪すぎ、クラキングスは羽田盃5着・黒潮盃4着なら例年の傾向からみて「足りる」計算になるのですが、前走での心房細動で競走中止というのが気になります。 ★クラキングス どちらも2000mは長い印象がある戦績でもあり、当日よほど好気配という事でもない限り無理に重視しなくてもいいのかなと思います。 今朝の水沢でのその他の馬たちのシーン。こちらはラブバレット。22日に迫った笠松グランプリ出走へ向け順調に調整中。追い切りは日曜日の予定とのこと。 ★山本聡哉騎手を背に周回中のラブバレット もうひとつこちらは岩本怜候補生。実習期間も後半、岩本候補生も一人黙々と調教をこなす姿が見られました。彼も来春デビューへ向け順調です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2017年11月17日 02時16分07秒
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